俺はいつものように、1人で席に座る。
教室を見渡す。
だるい。
学校に来るのが。
授業を受けるのが。
そもそも生きることが。
投げられた本が俺の後頭部にぶつかる。
『犯罪者』……か。
俺は何も言わない。
抵抗もしない。
だって、それは本当だから。
俺は犯罪者だから。
人を殺したから。
確かにこの手で、人を殺めたから。
俺には、幸せに生きる資格がないから。
親にも見捨てられて、友達もいなくて。
虚無の空間の中、ただ、生の時間を消化するだけの日々。
幸せなんて、とうの昔に忘れたから。
そんな日々に、楽しさなんてない。
楽しさなんて求めない。
幸せも、笑顔も、楽しみも…………
全て、わからないから。
忘れたから。
死にたいとは思わない。
だるいから。
ただ、こうやって、死ぬのを待つのみの人生。
何も、求めない。
求められない















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!