第4話

狂奔の響音
4
2026/08/27 00:00 更新
地下水路に、剣戟の音が響いていた。
終宮 息吹
――っ!
息吹が横へ跳ぶ。

直後、先ほどまで立っていた場所を拳が抉った。
終宮 息吹
危なっ...!
息吹は着地すると、すぐさま剣を構え直した。

目の前にいる相手――Insanityは、笑っている。

傷だらけの身体。

ボロボロの服。

そして、その異様な笑顔。

息吹は一度、深く息を吸った。



(怖い)



(でも、怯んでいる暇はない)
終宮 息吹
来い!
Insanityが踏み込む。

(速い!)

息吹は剣を横に構えた。
終宮 息吹
――重く!
腕を振り下ろし、能力を発動する。

一瞬だけ、相手の動きが鈍る。
終宮 息吹
今!
息吹が踏み込んだ。

剣を振る。

Insanityは身体を捻って躱す。
Insanity
あはははは!
そのまま反撃。

息吹は剣を盾代わりにして受け流す。

「――ガンッ!」

腕が痺れた。
終宮 息吹
重っ...!
(ただの拳とは思えない......!)

(......それでも!)

息吹は距離を取る。

相手の動きを観察する。

(やっぱり速い)

(力も強い)

(でも、動きそのものは単純だ)
終宮 息吹
──だったら!
Insanityが再び突っ込んでくる。

息吹はギリギリまで引きつける。
終宮 息吹
今!
重力の方向を変える。

Insanityの身体が僅かに逸れる。

その隙に、息吹は横へ回り込んだ。
終宮 息吹
そこっ!
剣が振り抜かれる。

Insanityの服が裂ける。
Insanity
!!
初めて、攻撃が届いた。

けれど、

Insanityは笑っている。
終宮 息吹
……効いてない?
息吹が呟いた直後。

相手の姿が目の前から消えた。
終宮 息吹
──!
(後ろ!?)

振り向く。

(間に合わないッ!)
終宮 息吹
ぐっ!
肩を殴られる。

息吹の身体が数メートル吹き飛んだ。
終宮 息吹
……っ!
転がりながらも、すぐに立ち上がる。

肩が痛む。

(まだ...動ける...!)

剣を構える。
Insanity
ふふふ...!
息吹は駆けた。

(正面からなら!)

剣を振る。

躱される。

二撃目。

また躱される。

三撃目。

Insanityが腕で受け止めた。
終宮 息吹
――!
息吹は即座に腕を振り下ろす。
終宮 息吹
落ちろっ!
Insanityの身体が一瞬沈む。

その隙を狙って、剣を振り抜く。

「――ザンッ!」
終宮 息吹
!!
確かな手応え。

しかし、次の瞬間。

Insanityの拳が飛んできた。

息吹は咄嗟に身体を捻った。

拳が頬を掠める。
終宮 息吹
............!
避けた。

だが、

続く蹴りが腹部へ入った。
終宮 息吹
ぐっ……!
息吹は後方へ飛ばされる。

それでも転倒することなく、なんとか踏みとどまった。
終宮 息吹
はぁ……はぁ……
(息が荒い)

(身体も重い)

(それでも、まだ...)

(――救援が来るまで)

(それまで持たせればいいんだ...!)
終宮 息吹
……まだ……
剣を握り直す。
終宮 息吹
……諦めない!
再び踏み込む。





何度も攻防を繰り返した。

その度に傷を負い続けた。

辺りの壁も今にも崩れて来そうだ。
終宮 息吹
はぁ……はぁ……!
息吹は息を整える。






(――勝てない...!)






(それは百も承知)

(...でも、逃げるわけにはいかない)
終宮 息吹
くっ...!
腕を振りかぶる。

Insanityの身体が僅かに沈む。

その瞬間、

息吹が斬り込む。

しかし、Insanityは強引に身体を動かした。
終宮 息吹
――!
剣を躱される。

そして、

拳。
終宮 息吹
――っ
息吹は腕を交差して防御する。
終宮 息吹
ぐあっ!
衝撃で身体が後ろへ滑る。

腕が痺れる。

それでも倒れない。

息吹は剣を握り直した。

だが、

次の攻撃は、今までとは違った。

Insanityが一気に距離を詰める。
終宮 息吹
!
腕を振りかぶる。

(──間に合わない!)
終宮 息吹
しまっ――
強烈な一撃。

息吹の身体が吹き飛ぶ。

壁へ叩きつけられた。

肺から空気が抜ける。

視界が揺れる。
終宮 息吹
……ま.......だ……!
息吹は立ち上がった。

脚が震える。

剣を杖代わりにする。
終宮 息吹
終わっ......て......
ない……!
Insanity
あは...
あははは!
Insanityが近づいてくる。
終宮 息吹
……っ
(......怖い)

(身体...も...限界......)
終宮 息吹
それ......でも......!
その時。

遠くから、足音が聞こえた。
???
――息吹!
聞き覚えのある声。
鉄川 業
……!
業。

そして、
討伐部員
終宮!
複数の隊員たち。

先頭に立つ蒼。
九鬼 蒼
遅くなってすまない
息吹の身体から、ほんの少しだけ力が抜ける。

蒼は息吹を一瞥し、その向こうへ視線を移した。
九鬼 蒼
............
Insanity
ハハ...ハハハ......!
Insanityは、相変わらず笑っていた。

その時、

突然、






Insanityの動きが止まった。






顔が僅かに上がる。
Insanity
............
そして、

笑みが消えた。

息吹たちには、何が起きたのか分からない。

Insanityはそのまま踵を返した。
鉄川 業
どこに行く...
言いかけるも、Insanityは振り返らない。

地下水路の奥へ走っていく。
鉄川 業
速......!
あっという間に、その姿が闇の中へ消えていった。

蒼は追わなかった。
九鬼 蒼
今は終宮の救護が先だ
鉄川 業
...了解
業が息吹へ駆け寄る。
鉄川 業
息吹、大丈夫?
終宮 息吹
……はい……
鉄川 業
本当に?
終宮 息吹
...ちょっと......駄目...かも......
その瞬間。

張り詰めていたものが、ぷつりと切れた。
終宮 息吹
……あ
膝から力が抜ける。
鉄川 業
息吹!
業が身体を支える。
終宮 息吹
……すみま...せん……
鉄川 業
謝んなくていいって
視界が暗くなる。

最後に見えたのは、心配そうな業の顔だった。

そして――

息吹は、そのまま意識を失った。




作者
AIちょっと迷走してて結構修正したから違和感あるか...?
作者
え?まためっちゃ長文だって?(定期)
作者
にしても急展開かなぁ...
作者
アンケート取りまっか!

アンケート

これからもこのレベルの急展開でついてこれます?
第一話で置いていかれた...
0%
速い速い!
0%
まあ...うん...
0%
いい感じかな?
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ちと遅いわ
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作者
個人的に聞きたいです!
作者
次話も番外編もよろしく!

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