壬氏様が緑青館の妓女を呼んで宴をして帰ってきた
水晶宮へ来て私を呼んだ壬氏様はたいそう喜んでいる様子だった
思わず壬氏様とハイタッチをしてしまった
結局、猫猫は外廷勤めで会えない日も多いけれど
後宮に入っては行けない訳でもないみたいでたまにコソッと会いに来てくれる
そんな猫猫がまた厄介事に巻き込まれたらしい
後宮内の建物の外れにある小さな森の木陰で足元の草をいじりながら不満げに猫猫は言った
はぁ、とため息をついた
確かに新しく入った楼蘭妃は
流行に敏感で化粧も服もころころ変わる
侍女もそっくりだ
"私と言えばこれ"という様な、見分けが付きやすいような
そういうものが微塵もない
そう言うと猫猫はさらに奥の人気のない場所へ私を連れていった
懐から1冊の本を取り出す
猫猫は腕まくりをするとえっへんと言わんばかりの立ち振る舞いをして話し始めた
到底聞かせられない言葉祭りのあと、ケロッとした顔で猫猫はどうだったと聞いてきた
やばい、猫猫通常の感覚が無くなってる
結果、猫猫の(私の書き換えた)書物は大好評だったみたいで
なんとかなったみたい
壬氏様はたまに水晶宮の隅にいる
その時は私とこうやって情報交換をするのだ
もう少し立場をわきまえろ!と怒ってくる壬氏様に対して笑いながら水晶宮へと逃げた
彼女達はまだ知らない
ふたりが血が繋がってる親戚であるということを
🌱











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。