小柳 ꜱɪᴅᴇ
着いて行きたい気持ちはやまやまだが 、
負傷した身体は思うように動かない
どうか危険な目に遭わないように 、と
祈るしかない歯痒さに思わずため息が洩れた
もっと他に 、
方法はあっただろ
なんだよ 、犬にしてくれって
… でも 、
仕方なかった
突然辞めたと教えられて 、
それ以上何も情報がなくて
それなのに突然目の前に現れたと思えば
お節介焼いて
家に来てみりゃ 、
すげーマンションに住んでるくせに
全然物がなくて
嫌でも 、察しちまった
" ああこの子 、死ぬんだな "
なんて 、ぼんやり気付いた
よく笑う 、
お花みたいな子
ほんとうは 、違ったんだろうか
笑っていなければいけなかったんだろうか
だってあまりにも 、
用意が周到過ぎるだろ
きっと 、
思い付きで死のうとしてるわけじゃない
じゃなきゃ 、
服も物も 、捨てたりしない
ほんとうはいつも笑顔の裏で 、
死ぬことを考えていたのだろうか
…… もし 、そうなのだとしたら 、
そう考えてしまったら
こんな傷なんかよりも 、
そっちの方が余程 、痛かった











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!