ビルからビルへ飛び移りながら移動する。
程よい風が心地良く、
着地する時にふわりとスカートが膨らむのが
何だか楽しい。
一ノ瀬くんがそういった矢先、
少し遠くだが後方に
桃の気配があることに気付いた。
動くなら私か無人くんか…
無人くんはそういうなり、
その桃を追いかけに行ってしまった。
先越された〜……
柵に手をついてビルから飛び降りる2人に続いて、
私もすぐに飛び降りた。
しかしそこにあったのは____
炎に包まれている病院だった。
水をかけられた痕跡はあっても
罠は仕掛けられていないという不自然さ
流石にそこまで考えられないほど
相手も馬鹿じゃない
時間が足りなかった?
人質は傷を付けてしまっては使えない
こんな所に居ていい筈が無い
轢かれていたのは確か姉の方、
妹がこんな時間に見舞いには来てない、としたら
……まず燃やす必要なんてないでしょ
そこまでするメリットは?
燃え方的にさっきついたばかり
私達が動き出してから?
それってこっちの動きバレて―
最悪の想定を頭に駆け巡らせていると、
皇后崎くんと一ノ瀬くんが
病院に向かって走り出すのが視界の端に映った。
2人に続いて中に入ろうとも思ったが、
あの子達なら大丈夫だと自分に言い聞かせる。
こんな所で血を使う訳にもいかない、
あっちは任せて私にできることをする
自慢の生徒達だ、安心して任せなきゃ
自らの怒りを悟らせないように抑えながら、
野次馬が声をあげる度に震えるその肩に
手を置いた。
難しい!うわー!!!
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!