もうすっかりジンに敬語を使わなくなった私は
いつもの作り笑顔を貼り付けながらそう尋ねた
私の愛車、マツダ RX-7 FD3S を走らせること1時間弱
都内とは思えないほど木が生い茂っているが
それでいて道はちゃんと舗装されている…
なんだか不思議な気持ちになる場所だ
この先に秘密裏に建設された施設がある
カモフラージュのつもりなのか、" 研究施設 "の名に似つかわしくない
幻想的でかわいらしい洋館が建っている
まあ、組織特有の黒い匂いは抑えられていない様だけど
玄関に入るとその匂いはより一層強くなった
が、誰もいない
どこだ… どこかに隠し扉があるはず…
エントランスホールに響く機械を通した声
姿は見えないけれどこの感じ、間違いない…
ラムって敬語なんだ、
メールでしか話したことないから知らなかった、
なんて考えて必死に速くなった心臓の動きを宥めようとするも
意味はなく、頭をフル回転させるしかなかった
急に私の立っていた所の床が無くなりそのまま落ちた
気付けばクッションの上 前を向くと……
全面ガラス張りの部屋とも呼べぬ空間で座り込む2人がいた
1人は東、もう1人はキャンティ、どうやら爆弾作成の授業中の様だ
既視感を覚えているとまた頭が痛みだした
声は少し抑えられるようになったがこの痛みには慣れない
そしていつものように映像が流れ始める……はずだった
ほんの一瞬、ここと同じ様なガラスの空間の中で誰かが
足を組んでいる場面が見えたが映像は見えなかった
そもそもヒロの自殺シーン以外を見たのだって何週間ぶりだろう
嫌なシーンを見ずに済んだ安心感と同時に、
いつもと違う事に少し不安も覚えた
そして私はガラスに向かって歩き出し柱についている電話を手に取った
ほんと、急に喋りだすの怖いから辞めて欲しい
にしてもどうしようかね
ラムの監視下にあるこの状態で東に" アレ "を伝える方法は…
💫裏設定💫
あなたちゃんのFDは青色!
萩が亡くなった年に萩のことを考えながら買ったもので、
本当は白が良かったけど鬼公と被るのが嫌で青にしたらしい…
ちなみに陣平があなたちゃんのFD運転した時、萩の真似しようとしたら車ボッコボコになって1週間喧嘩したみたいです











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。