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第77話

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2025/06/29 05:23 更新
 


あなた
ねぇ、ジンー
ジン
なんだ
あなた
私が組織に入れたあの東って奴
今どこにいるか知ってる?


もうすっかりジンに敬語を使わなくなった私は
いつもの作り笑顔を貼り付けながらそう尋ねた

ジン
あいつなら地下で拘束してる
あなた
地下ってどこの…?
ジン
あの方の指示の元で新しく建てた研究施設だ
あなた
あぁ、あの無駄に凝ってるって噂の
ジン
あいつに何の用だ
あなた
まあちょっとね……
ジン
下手な真似をしたら……
ジン
分かってるよな
あなた
何よ、まだ私のこと疑ってるわけ?
ジン
フンッ







私の愛車、マツダ RX-7 FD3S を走らせること1時間弱



都内とは思えないほど木が生い茂っているが
それでいて道はちゃんと舗装されている…



なんだか不思議な気持ちになる場所だ



この先に秘密裏に建設された施設がある



あなた
ここか
あなた
まるで童話に出てくる洋館ね…




カモフラージュのつもりなのか、" 研究施設 "の名に似つかわしくない
幻想的でかわいらしい洋館が建っている


まあ、組織特有の黒い匂いは抑えられていない様だけど






玄関に入るとその匂いはより一層強くなった



が、誰もいない



どこだ…  どこかに隠し扉があるはず…





???
ギムレット…
???
ここに来たのは初めてですね?




エントランスホールに響く機械を通した声


姿は見えないけれどこの感じ、間違いない…


あなた
ラム…!


ラム
ジンから聞きました
ラム
東秋夫という男に会いに来たと…
あなた
えぇ
ラム
奴はまだ信用できなくてねぇ…
ラム
地下の特殊なゲージの中で飼わせてもらってますよ
あなた
ジンから聞いたわ
ラム
あの男、見たところかなりの小心者のようですが…
ラム
一体何故我が組織に?




ラムって敬語なんだ、


メールでしか話したことないから知らなかった、


なんて考えて必死に速くなった心臓の動きを宥めようとするも


意味はなく、頭をフル回転させるしかなかった



あなた
丁度いいから、ですかね
あなた
扱いやすく比較的高度な爆弾を作る知識を持っている
 
あなた
本当はロシアを拠点に活動しているプラーミャ
とか言う奴の方が良かったんですけど…
あなた
扱いにくそうな上、奴と絡むと大事になりかねないので
 
あなた
まぁ何かあったら殺せばいい
あなた
だから貴方も組織に入れるのを許可したのですよね?
ラム
えぇ その通り
あなた
それより、早く教えてくれます?
あなた
地下への行き方を…
あなた
…っ !!

急に私の立っていた所の床が無くなりそのまま落ちた



気付けばクッションの上 前を向くと……



全面ガラス張りの部屋とも呼べぬ空間で座り込む2人がいた



1人は東、もう1人はキャンティ、どうやら爆弾作成の授業中の様だ


あなた
(この場所、前にどこかで……)


既視感を覚えているとまた頭が痛みだした

あなた
(今は…今はだめ…!)
あなた
(ラムが見てるかもしれないのに…)
 
あなた
う……ぐっ……

声は少し抑えられるようになったがこの痛みには慣れない


そしていつものように映像が流れ始める……はずだった
あなた
あ…れ…?


ほんの一瞬、ここと同じ様なガラスの空間の中で誰かが
足を組んでいる場面が見えたが映像は見えなかった


そもそもヒロの自殺シーン以外を見たのだって何週間ぶりだろう



嫌なシーンを見ずに済んだ安心感と同時に、
いつもと違う事に少し不安も覚えた




そして私はガラスに向かって歩き出し柱についている電話を手に取った



あなた
これ……
あなた
(やっぱり前に来た事がある気が…)
ラム
その特殊ガラスは電波も通さない優れモノ…
あなた
この電話を使わないと会話できないってことね




ほんと、急に喋りだすの怖いから辞めて欲しい



にしてもどうしようかね



ラムの監視下にあるこの状態で東に" アレ "を伝える方法は…







































































💫裏設定💫

あなたちゃんのFDは青色!

萩が亡くなった年に萩のことを考えながら買ったもので、
本当は白が良かったけど鬼公と被るのが嫌で青にしたらしい…

ちなみに陣平があなたちゃんのFD運転した時、萩の真似しようとしたら車ボッコボコになって1週間喧嘩したみたいです

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