『ヒーロー』
『救世主』
誰もが1度は憧れるものではないかと私は考えている
きっとニンゲンたちが、誰かを救いたい、だなんて言う馬鹿げた理想を信じきっている。
理想は叶うものじゃないから。
きっとそれに気がつくのはもっと先のことだろう。
私?
そりゃあかっこいいと思うよ。
誰かの記憶に残り続け、したわれ続けるのだから。
でも、私はなれない。
ヒーローにはなれない
救世主にもなれない
___私はきっと"悪者"だから
誰かの生活を脅かす存在だから
私はきっと一生悪者だろう。
誰かを守る側のヒトにはなれない。
………いや
私をヒトと言っていいのか?
血肉を求めニンゲンを襲う。
私はずっとそうだった
ずっと孤独で
ずっと退屈で
ずっとずっとずっと………
……私が欲を言っちゃいけない。
何人も何十人も何百人も殺めて汚れたこの手で、これからもヒトを殺していくんだろう。
永遠に 寿命が尽きるまで
死にたい。
消えたい。
そんなこと願っちゃいけない。
罪から逃げたくは無い。
分かってるのに……
__どうしてヒトを殺すことをやめられないの?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。