俺には3歳上の姉がいた。
小さい頃から優しくて、どんなときでも俺を
思いやってくれてた。
両親が居なくなったあとも、暫くずっと、一人で親の
代わりに頑張ってくれていた。
でも、
ときどき、泣いていることがあった。
疲れたと、そう言って。
でもあなたには生きててほしいと、そう言って。
怖かった。
少し対応を間違えただけで壊れてしまいそうで。
俺は不器用だったから、家事を手伝うことしかできなかった。何も出来なかった。
姉を慰めることも、励ますことも。
でも姉は、そんな俺を詰ることもせず一人で頑張り続けた。
頑張りすぎたんだ。
違和感を覚えたときには、もう遅かった。
手首から赤い液体を流した死屍がそこに有った。
それが姉のものと気づくのには、時間がいった。
叫んで、叫んで、泣き伏した。