第4話

数年後の出来事
34
2024/06/18 22:18
あれから脱出してから数年後、
私達は何事もなく平和に過ごせていた。
アルゴット
アルゴット
今日は虫取り行こうよ!
ヒナタ
ヒナタ
うん!


あの日が来るまで。




???
いたぞ!捕まえろ!
アルゴット
アルゴット
え?え!?
???
この“危険な魔女”が!
ヒナタ
ヒナタ
アルゴットは危険なんかじゃない!
???
可哀想に…洗脳されたのか…
大丈夫だよ、すぐに楽になるからね。
ヒナタ
ヒナタ
違うッ!












アルゴットは村人に捕まって、私達は離れ離れになった。
そして、次に会えたのは村の中央でだった。








アルゴット
アルゴット
あ、ヒナタ……
ヒナタ
ヒナタ
アルゴッ…………⁉︎
それはとても痛々しかった。
彼女の体には傷があり、血だらけだった。
アルゴット
アルゴット
ごめんね、もう遊べなくなっちゃったよ…
弱々しく笑う彼女をみて、さらに胸が痛くなる。
???
さぁ、火炙りだ!
ヒナタ
ヒナタ
………え?
そして、やっと理解する。
彼女は、
























      物語通りに、殺されてしまう。



















アルゴット
アルゴット
………










『ごめんね。』








もう声も出せないのか、諦めたのか、
私に向かって口をそう動かした。
ヒナタ
ヒナタ
……ッ
そして。











『ヒナタだけでも、幸せに生きて。』




それだけ言い残し、静かに涙を流しながら燃えていった。
翌日、再び村の中央を訪れると、










真っ黒に焼け焦げてしまった、
ほぼ原型のないアルゴットがそこにいた。













縛り付けられたままで、
足元にある薪からは生暖かい煙が立ち昇っていた。
ヒナタ
ヒナタ
そんな………
私はショックで数日間動けなかった。
数日後
私は初めて、あの頃絵本での生活が恋しくなった。
自由なんてここには存在しなかった。
私のせいで、私のせいで……
























???
やっほ〜、大丈夫そ?























いつの間にか、目の前に私くらいの女の子が立っていた。
ヒナタ
ヒナタ
……誰?
???
あぁ、私?私はね、
みーたん
みーたんだよ!
みーたん?
名前にしては妙に違和感があった。
もっとこう、名前らしい名前が……
……もう考えるのも疲れた。
ヒナタ
ヒナタ
それで、私に何の用ですか?
みーたん
あー、そーそー、昨夜は散々だったね。
良かったら、うちに来ない?
それは、急な誘いだった。
みーたん
安心して?私ごく普通の一般人だし、
罪とか犯せるような勇気とかないしw
ただ、ヘラヘラと笑い、事実を言っているのは確かだった。
もうここには私の希望はない。
……だったら。
ヒナタ
ヒナタ
………お願いします。













それが、作者との出会いでした。










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