大学の周りってあんまり詳しくないけど、、
ジフンの手首を掴んで走り出した。
外は少しオレンジに染まっていて、
涼しい風が吹いていた。
屋上の立ち入り禁止と書かれた場所。
1年のときから一人で落ち着かない時、
ここに来て空を見上げていた。
誰かに教えるのは、ジフンが初めてだった。
この空間で人は来たことなくて、
ある日突然、無意識に柱や床に絵を描いていた。
それを来る度に続けてたら
どんどんカラフルな空間になってて、、
ここが私の居場所だって行っていいくらい、
心が落ち着いて、息ができる。
ジフンは柱の絵をみて、そっと手で触れた。
ジフンは私の方を見て一生懸命に話を聞いてくれる。
そのとき私のポケットのスマホがまた振動した。
今度は誰だろうと画面をつけると、
「お父さん」と書いてあった。
朝は出れたはずなのに、
応答のボタンを素直に押せなかった。
ジフンは私の手から携帯を取って電源を切った。
一言も話さなかった気持ちが、
どうしてジフンには分かるんだろう。
私は心がすっかり落ち着いて
また、彼の前で泣いてしまった。
その日は夜まで色んな話をした。
高校生の時の話、友だちの話、絵の話、
私たちが離れていた7年間の色んな話を。
帰り道、すっかり暗くなった道を2人で歩いた。
ジフンは私の誕生日なんて、覚えてないし、知らない。
ジフンは私の前に立ち向き合った。
22歳の誕生日、その日に祝ってくれたのは
おめでとうと言ってくれたのは
ジフンただひとりだけだった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。