第18話

〈違和感〉
2,801
2022/01/07 16:26 更新
ーー・・・






ーー〈あなたの下の名前、やり直したい〉





毎日毎日この文だけが送られてくる。

私は違和感を感じながら無視していた。

もちろん既読していない。








さゆ「ブロックした方がいいよ。返してないならそうした方がいい。既読はしてないんでしょ?」


「うん、してない」


さゆ「だったらブロックすれば届かなくなるし」


「そうだね、、分かった」





さゆの言われた通り元彼をブロックした。

これで大丈夫。






さゆ「それにしてもあの人どういうつもりで毎日送ってくるんだろうね」


「、、ちょっと違和感」


さゆ「違和感どころか怖いよ。あんた気をつけなさいよ」


「うん、、」





定時に仕事が終わり帰り支度していると

電話が鳴った。





やま〈もしもし?〉


「やまと、お疲れ様」


やま〈お疲れ!今終わった?〉


「終わったよ、、あ、やまと?」




やまとに言うべきなのかな。

でも年内300人目指してて毎日多忙なのに

余計な心配をかけるのは気が引ける。





やま〈あなたの下の名前?どうした?〉


「え、あ、ううん!!なんでもないよ」


やま〈ほんとに?で、いま、、〉


『あなたの下の名前?』


「え、、何で、、」


やま〈、、、〉




やまとが何か言いかけた途端、

後ろなら名前を呼ばれて振り返ると

元彼が張り付いた笑顔で立っていた。




『俺、毎日送ってくるのに何で返事くれないんだよ』


「勝手なこと言わないでよ。あんな文を毎日送ってきてどういうつもり?」


やま〈毎日?〉


『その文のままだよ、やり直したいんだよあなたの下の名前と』


「今更、、」





付き合ってた当時と何か違う。

昔から真面目な人でチャラついた服なんて

着なかったのに、、

今はチャラついた服を着て

笑った顔なんてそんな不自然じゃなかった。






『やっぱダメか?あーあ、せっかくやり直してやろうと思ったのに』


「っ、、お断りします、、さようなら」


『ちょっ!!ちょっと!!待ってよ』


「っ、なに?」



強く腕を掴まれて振りほどこうとしても

離れることはない。




『じゃあさ、金くれね?女にさ騙されちゃって
今金欠でさ飯もまともに食えてないんだよ』


「何言ってんの?ふざけないで!」


『お前、俺が野垂れ死になってもいいってわけ?相変わらずお前は冷たいやつなんだな!』


「っ、、」







何でこの人こんなに変わちゃったの?










やま「おい、その手を離せよ」


「っ?や、やまと」


『は?誰だてめぇ、、』


やま「汚ぇ手を早く離せって言ってんの」


「っ、、」



振り向くと怖い顔したやまとが立っていた。




『あれ?お前まさか、、』


「っ、、お金渡すから離して!」


やま「あなたの下の名前、やめろ」





まさかやまとのこと知ってる、、

やばい、周りにバレたら。





『まぁ、いいや!金くれんなら!はい、ください!』


やま「お前、女にたかって恥ずかしくねぇの?」


「っやまと、、」




やまとは私を自分の後ろに隠して盾になってくれた。





『お前に関係ねぇだろ!あなたの下の名前!金!』


やま「どうしようもねぇな、、警察呼ぶけど?」


『け、警察?』


やま「録音してるけどあんたとあなたの下の名前の会話」



『お前とあなたの下の名前のこと!ネットに晒すぞ!』


「っ!」


やま「やれるもんならやれよ、お前が恥かくだけだろうけど」



『っ、、!』


やま「行きたくねぇなら二度とあなたの下の名前の前に現れるな、その約束出来ないなら警察に連れてく」





プリ小説オーディオドラマ