愛知旅行から数日後。
今日は、私の大学の入学式。
スーツを着て家を出ると、
何故かオープンカーが止まっていた。
こんな馬鹿げたする人はただ1人しかいない。
朝からこの2人は楽しそうだな。
断ろうと思ったけど、
楽しみにしてたとか言われると。
騒いでる2人を無視して私はオープンカーに乗った。
何だかんだで、オープンカーなんて初めてだから。
ワクワクしたのは内緒。
大学に着くと、たくさんの人が居た。
県外からで知り合いもいないし、不安。
はじめくんに手を振って、車から降りると。
何故かけんすけさんも車から降りていた。
そんな感じで、
終始ハイテンションなけんすけさんと会場に向かった。
それから、私は入学式に出席して。
それなりに人とも関わって。
式が終わった。
幸い、誰もはじめくんの事は言ってこなかった。
結構、安心したかな。
『じゃ、また明日ね』
校門の前でみんなと別れて。
そこには、はじめくんがいて。
後ろには車があった。
車の中には既にけんすけさんがいた。
行きはオープンカーだったのに、帰りはいつもの車。
でも、こっちの方が落ち着く。
-----Hajime Side-----
迎えに行くと、あなたは疲れ切った顔をしていた。
富山とは環境も違うし、無理ないのかな。
車に乗って、モンストをしていると。
車の中がやけに静かになった。
隣を見ると、あなたが寝ていた。
僕は隣で首をカクカクしながら
寝ているあなたの頭を自分の肩に乗せた。
騒がしい中でも、あなたはスヤスヤ寝てて。
その顔が可愛くて、俺は見とれていた。
って事は畑のみんなには内緒。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!