第8話

七__⚠️恋愛⚠️
73
2024/06/30 04:06
【三つ目の夜:りうら、いふ(りういふ・ぴよまろ)】
__🐤。
ねー、まろー
__🤪。
やだ……
__🐤。
早くー
__🤪。
やだ
__🐤。
電気消そうよー
__🤪。
やだっ
__🐤。
いい加減もう寝ようよー
__🤪。
いーやーだーっ!
 駄々こねる子供か、とりうらがツッコんでも、返ってくるのは「いやだぁ」のみ。
__🐤。
ほとけっちと寝たかったなら、ないくんにそう言えば良かったじゃん
__🤪。
…………
 無言を貫く抜くいふに、なんで、と尋ねる。彼が微かに口を開けた。
__🤪。
……ないこにイジられる
__🐤。
理由が弱いっ‼
 りうら過去一ツッコミしてるかも、とため息をつく。彼がここまで奥手かつヘタレだったとは。
__🐤。
(完全に両想いなのに……発展しない元凶は間違いなくコイツ__)
__🐤。
こんのヘタレ社会人
 自覚はあります、と重く頷かれた。「だったら直せ! 今すぐに!」と怒鳴りたかったが、もう気力がない。
__🐤。
あっそ
 そう素っ気なく呟くしかなかった。




__🐤。
そんなに落ち込むほど寝たかったら、ないむの部屋に入ればいいじゃん
__🤪。
それはキモいやろ
 プライバシーに対する配慮の欠片もない案を、いふが即座に否定する。
__🤪。
そんなことして、何の意味あるん?
 少々トゲのある言い草を難なく躱すように、りうらが布団の中に入った。こちらに背を向けているため、表情は読み取れない。
__🐤。
少なくとも、覚悟は示せるんじゃない? 自分に対しての
__🤪。
…………まぁ、な
 何か言いたげだったが、それ以上は聞くまいと言わんばかりに、おやすみ、とだけ告げ、りうらは眠りについた。
 以降、いふが喋ることはなかった。諦めて寝たのだろうか。少し冷たい言い方だった自覚がある故、申し訳なさを感じる。
__🐤。
(冗談のつもりだったけど__)
     心の中でほくそ笑む。
__🐤。
(__まろを鼓舞できたんなら、及第点かな)
 寝返りのフリをして、布団を深く被る。
__🐤。
(ほとけっちはすごいなぁ……諦めたはず、なのに……少し悔しいや)
 メンバーは知らない。りうらの「初恋」相手が彼だったこと、、、、 、、 、、、、、、、、、。自身の失恋と意中の相手の恋心を悟り、彼のために動いていることを。
 正直、寝る相手の変更は内心嬉しかった。好きだった彼と同じ空間で過ごし、朝までそれが維持される。
__🐤。
(叶わない、って分かってるなら__今日くらい、いいよね?)
 起きてる気配が感じられなくなった時、自然と口が言葉を紡いでいた。
__🐤。
好き、だったよ……
 感情の分からない水が瞳から溢れ、りうらの枕を少し濡らした。




 __それぞれの夜を超え、日が昇り始める。いれいすのシェアハウス生活、記念すべき一日目が幕を開けた。
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