【二つ目の夜:ないこ、ほとけ(ないむ)】
申し訳なさを感じたのか、顔を俯けるほとけ。
あえて、少し意地悪な聞き方をした。
ここまでは、全てないこの計画通り。あとは本音を聞くだけだ。
遠回しに伝えず、率直に聞く。
固まってしまった。時が止まったかのようにほとけの体が動かなくなる。
「ほとけっちー?」と彼の前で手を振ると、顔をみるみる赤くさせ、否定する。
はいはい、と電気を消すと、数秒後にほとけの寝息が聞こえてきた。
相当眠たかったのだろう。呆れが混ざった声で小さく呟く。
ないこの目は開かれたままだ。
明日も早くなりそうだ。とっとと寝なくてはいけないのに。
現実逃避が如く目を瞑る。入眠はできたが、安眠はできなかった。
【次回、三つ目の夜】
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。