前の話
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幹部になって数ヶ月が過ぎた。
とても楽しく、何不自由無く暮らせている
そんなある日、ぴくとさんのご自宅に行った
お店は爆発で無くなってしまったが、簡易的に用意してたもしものための家が役に立ったらしい
我々国とは少し離れたところにぽつんと一軒だけ立っている。田舎のような場所だ
ぴくとさんの場所がわかったのは最近で、私は久しぶりにぴくとさんに会えたのだ。
勿論護衛(許可なし)つきでね
ぴくとさんは本気らしく、大きく、けども必要最低限しか入ってないバックを玄関においていた
さみしいよ。だってずっと一緒にいてくれたじゃん
町に行くとき、初めて入った店がぴくとさんの店で良かった
だって凄く優しくて
温かくて、お兄さんみたいな人だった。
溢れそうな涙をぐっとこらえながら、ぴくとさんに抱きつく
少しだけ強く抱きしめると、ぴくとさんも抱きしめてきた
ぴくとさんの腕の中は暖かかった
暫くこうしてたら
ゾムが引き離してきた
その日は暗くなるまで遊んで、グルッペンさんからインカムに早く帰ってこいとの連絡があったため戻ることになった。
次の日。ぴくとさんは旅に出た
会えないのはさみしい。
でも、また会えるのが楽しみになるって素敵なことだと思わないかな
ぴくとさんも見ているかもしれない月を見上げ、寒いはずなのに、温かい気持ちになった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!