これ、ゼロに渡しておけばよかった
そう思いポケットから取り出す
組織が開発中の毒薬
"APTX4869"
潜入中、こっそり調べていたこの毒薬
シェリーになんとか誤魔化しながら
詳細を聞いたんだっけ
俺の努力、無駄になったなぁ…
せっかくいい情報を手に入れたのに⋯
開発途中らしいけど
どうやらこの薬は
死者を蘇らせる効果、があるんだとか
結局組織の目的は分からなかったが
ある程度は把握できた
何がなんでもゼロに渡しておけば良かった
︎︎
ど、どうせもう意味無いのなら
いっその事…飲んでみる…?
物は試し
これで本当に蘇たなら……
どうこう考えていると
階段を上がってくる足音が聞こえた
俺は警戒しつつ、再度体勢を整える
誰が来たかと思いきや…
キール、組織の一員
こいつも俺と同じく
ノック、ではないかと疑ってる人物だ
間違いない、"例"の件についてだ
俺は黙り込んで相手を睨みつけた
こいつは"キール"なんかじゃない
確実に"ベルモット"だ
とその瞬間、ベリッと仮装を剥がし
姿を現す
ベルモット、同じく組織の一員
その中でも最高幹部
ベルモットとバーボンはよく一緒に
任務を遂行することがここ最近多くあった
なぜ自決だと…
…そうだ俺、自決して死んだはず
なのになんで、普通に話せているんだ…?
あまりにも自然な会話過ぎて、忘れてた
ひとまず今は…
と言い、ベルモットは何かを取り出し、俺に見せた
彼女が持っていたのは、俺が持っている
"APTX4869"と同じ毒薬だった
毒物が検出されない毒薬…?
そんな効果、シェリーからは
何も聞かされてなかったはず
まさかそんな効果まであったとは…
いや、何かがおかしい
これは裏がありそうだ
彼女は謎の多い人物の1人
こんなにも簡単に、取り逃がすわけがなかろう
不意に一本取られ、俺は毒薬を飲み込んでしまった
体が熱くて、痛くて
まるで骨が縮んでいるような
思うように体を動かせず
俺はいつの間にか意識をなくしていた
と言っていたのも知らず…
⚠注意書き⚠
※最初にも言ったように、全て架空話です。
※時系列バラバラです。
※本作とは全く違う展開が多いです。
〇まとめると
→萩原、松田、伊達は殉職
→ライ&スコッチ、バボ&ベルモットでタッグ
→新一、志保は既に幼児化
→ライもノックだと疑われる
→バーボンは安室透としても潜入中
→新一が幼児化してから半年間での話
next…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!