めいっぱい背伸びをして畳に寝転がる。
そのとき投げ捨てた細筆が天井に突き刺さっているように見えるのは、たぶん眼精疲労とかによる幻覚だろう。
ずっと同じ姿勢のせいで首やら肩やら腰が大層悲鳴を上げているのだ。
いつものアイマスクをして呑気に眠りこけている沖田は、さらっと己の罪を全て土方サンに被せた。
もはやプロの所業。
そんなうちらの殺気で溢れている空間にノックがひとつ。
知らせのインパクトが強すぎて、さっきまでの殺意は勢いよくどこかに飛んでいった。
その後ふたりは松平のとっつぁんの取調べに行くことになり、アタシは適当に見回り行っとけだそうで。
見回りという名の暇つぶし探しをしていると、
サングラスに新聞という組み合わせのめちゃめちゃ挙動不審な知り合い三人が青空喫茶でお茶していた。
さっき頼んだクリームソーダが届き、上に乗っているさくらんぼを口に運ぶ。
ほらあそこ、と指をさされた場所を見てみると
こんなボロクソ言ったが、純情ピュアピュア新八クンの行方をしばらく観察することにした。
なんという爆弾発言。
女ふたりは新聞を感情の赴くままに破き、あたしは口に残っていたさくらんぼの種を弾丸の如く吐き出した。
わざとにしか見えない頬の赤らめに照れた仕草…
女の心は違う意味でもうめちゃくちゃだ。
ふたりは台パン、あたしは万事屋の肩を鷲掴みしてぶん回す。これだけでも脳が狂いそうだった。
ダウト、完全に嘘泣き。人間こんな簡単に泣いたら今頃世界は大洪水だ。
万事屋を三人でサンドバッグ代わりにしても煮えくり返る腸。これ耐え切れる女いないだろ。
なんやかんやあって、猫耳女の家にパチが連れ込まれたところを目撃してしまった。
その視線の先には、ルンルンで家から出てくるのは猫耳女ひとりだけ。
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猫耳女は万事屋のぶん投げた木刀を避け、そのまま壁看板の上に着地する。
そう、猫耳女が座っている看板のビルの屋上で三人で待機していたのだ。
猫耳女を目掛けて飛び降りる。
避けるために女が着地した地点にはボコボコの看板が見事落下し、うちらも綺麗に着地した。
しかし彼女の上にその瓦礫が落ちることはなかった。
落ちてきた瓦礫を、女から身を張って守っていたのだ。
猫耳女はまたわざとらしく頬を赤らめた。
瞬く速さで木刀で女をシバいていた。やればできるとはこのことだろう。
これにて一件落着、と思うだろうが何故アタシがここにいると思う?
嬉々として手錠をかけ、米俵のようにして担いで屯所に帰った。
その後しばらくとっつぁん以外の笑いが止まらなかったのはここだけの話…













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。