NOサイド
旧火守の社に向かって歩く。
前回は守護隊に追われてビクビク通った道。
今日は堂々と歩ける。
…ほんとによかった。
前に一度通ったからか、
迷わずにまっすぐと向かった。
すでに廃れた火守の神社。
微かにする火守の気配を緋花は感じた。
境内は歩けないほどではないが、雑草で溢れかえり
誰も手を入れていないことがわかる。
前はもっと大きかったらしいのだが、
騒動の影響で本殿しか残っていないようだ。
緋花は石畳を踏み締めた。
割れたコンクリートが音を鳴らす。
簡素的な木の階段を3段ほど上ると、
そこには隅の方に追いやられた家具がある以外は特に何もない、
広い空間があった。
緋花は符を展開して安全確認をする。
藍も周囲を警戒していた。
その一言で二人は中に入る。
緋花は家具のほう、藍は奥の部屋へ。
緋花サイド
藍と別れて捜索を始めてから数十分。
家具は箪笥や、机に椅子、その上には墨がこぼれたあと。
一応一通り家具の周辺の床や天井、壁は調べ終わった。
あと残るは…。
箪笥である。
何か中にたくさん入っているのだろうか、重くて動かせなかった。
意を決して引き出しを出すと、埃が舞う。
パッと見て入っているのは着物、着物、着物。
ぶつぶつと文句を言いながらも、一着一着を外に出していく。
古い冊子のようなものが一冊。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。