前の話
一覧へ
私の好きな人。
バイト先の先輩。
特徴、背が高い。キュンポイント、笑顔が可愛い。
背が低めな私には、先輩がいると、
いつも背後からのオーラにドキドキしてしまう。
私のバイト先は、とあるカフェ。
オシャレで若い子向けなので、
先輩目当てで通ってくるお客さんもいる。
そんな今日も先輩と一緒にバイトをしている。
『いらっしゃいませ』
ニコッと笑顔で接客する。
『え〜あの背の高いお兄さんがいいんだけど〜』
○○「すみません、うちは指名制度はありませんので…」
そういう私はきっと笑顔が引きつってるんだろうな。
注文を聞いて、厨房へ戻る。
厨房ではイライラしながら、表に出れば笑顔で接客する。
ストレス。
そんな時だった。
蓮「○○、大丈夫?」
○○「え?」
怒ったように聞き返してしまった。
蓮「怖い怖い、何怒ってんの?」
○○「あ、目黒先輩、ごめんなさい」
蓮「大丈夫?」
○○「あー、まぁ、仕事なんで。ちゃんとやります」
蓮「今日何時上がり?」
○○「今日は17時までです」
蓮「同じだね。じゃ、終わったら一緒に夕飯でも
食べに行かない?」
○○はまさかの誘いに、ビックリした。
○○「え、は、はい!行きます!行きます!」
蓮「ん、そしたらゆっくり愚痴聞くから、頑張ろ」
○○(そんな事言われたらもうニヤニヤでしかないよ〜♡
先輩、優しすぎる!!残りの時間頑張って乗り切ろ!)
お客さんからの嫌味も、夜の食事を楽しみに、
いつもより軽く交わせた。
ランチタイムから、ティータイムと、
休日は結構忙しく動き回る。
無駄話している暇は無い。
17時。
○○「はぁ〜…終わった……」
蓮「お疲れ様」
スタッフルームに蓮と2人。
一旦テーブルに座り、突っ伏していた私の頭を、
蓮が軽くポンポンっとしてくれた。
○○「はぁー、先輩…誰にでもそんなこと
するんですかぁ?他のバイトの子にも
そんな事してたら、みんな惚れちゃいますよ?」
蓮「何言ってんの笑 誰にでもはないかな」
○○「そんな事言ったら、私期待しちゃうんで、
やめてくださいよ笑」
蓮「そっかぁ、残念」
○○(それはどういう意味……)
蓮「ご飯、何食べたい?まだちょっと早いし、
その辺散歩でもする?映画とか行っても良いし」
○○「映画良いですね!映画行きたいです!」
蓮「良いよ、じゃ、行こっか」
○○は嬉しそうに蓮の隣に並ぶ。
外に出ると、すごく寒かった。
○○「さっむ!!何か雪でも降りそうなくらい
寒くないですか?!出勤してきた時は
そこまで寒くなかったのに、失敗したぁ〜」
蓮「寒さに弱いんだね。これ、貸してあげる」
そう言うと、蓮が○○に自分のマフラーを巻いた。
○○「先輩……ぐるぐる笑」
蓮「ははっ、可愛い笑」
○○はニヤニヤがバレないようにマフラーに潜るように
顔を少し隠した。
蓮の匂いがして、幸せな気持ちになる。
映画を見る。ラストは感動して、つい泣いてしまう。
するとまた、そんな私の頭をポンポンっとしてくれる。
そして、背中をヨシヨシとでも言いたそうに
撫でてくれた。
終わった後、外に出ると、案の定雪が降っていた。
蓮「わぁ、まさかホントに降ってくるとは思わなかった」
○○「ですよね」
蓮「 今年最初の雪だ」
○○「うん、ですね」
蓮「イルミネーションと雪って映えるね」
○○「ははっ、確かに!キレイ」
空を見上げる○○。
カシャッとカメラ音がする。
○○がビックリして蓮の方を見る。
蓮がこっちに向かってスマホを向けている。
○○「あー!先輩、隠し撮りですか?
消してくださいよ笑」
蓮「やだ。可愛かったから」
○○「可愛くないし!」
蓮「可愛いよ。大丈夫、映えてる笑」
イタズラ顔で笑う蓮が、可愛く見える。
○○「じゃ、私も」
そう言って○○は自分のスマホで蓮を撮る。
蓮「え、やだやだ、消して」
○○「私の消してくれたら消します笑………多分笑」
すると蓮が、○○のスマホを取り上げようとする。
○○「ふふ、ダメですよー!お店で指名ナンバーワンの
貴重な写真ですから♡消しません♡」
蓮「俺はホストかよ笑」
○○「今日だって、あの人じゃないのー?って
堂々と言われましたし。
あれ、結構ショックなんですけど!」
蓮「それで怒ってたんだ?」
○○「ほんと、ここはホストクラブじゃ
ないっつーの!!」
蓮「うん」
○○「ほんとムカつく!」
蓮「うん笑」
○○「先輩!」
蓮「うん?」
○○「何でそんなカッコイイんですか!」
蓮「カッコよくないよ笑」
○○「ムカつく」
蓮「ごめん」
○○「何でそんなに優しくするんですか」
蓮「可愛いから」
○○「可愛くないです」
蓮「可愛いよ。怒ってる顔も、マフラー、
ぐるぐる巻きにされて笑ってる顔も、
映画で感動して泣いちゃってる顔も、
雪が降ってるとこ見上げて感動してる顔も、
全部可愛いよ」
○○「期待…しちゃうじゃないですか」
蓮「期待も何も……好きだよ、○○のこと。
だから……付き合って?」
○○「絶対浮気しないですか?」
蓮「えー!今告白したばっかなのに、それ聞く?!笑」
○○「だって……先輩人気すぎて自信ない……」
蓮は○○に近付くと、ぎゅっと抱きしめる。
蓮「しないよ。どんな人に声をかけられても、
俺が可愛い、大好きって思えるのは○○だけだから」
耳元で、そんなふうに囁いてくれる蓮に、
○○は思いっきり抱きしめ返した。
蓮「寒いから、あったかいもの、食べに行こっか?」
○○が頷く。
蓮「はい、行くよ」
蓮が手を出す。○○も手を出す。
手を繋ぐと、蓮のポケットに吸い込まれる
2人の握った手。
冬の間の幸せな空間。
蓮「これから毎年初雪、一緒に見れるといいね」
end.












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!