私は御影くんに『三村くんに協力してもらい凪くんのことを起こそうとしたら凪くんが起こされたことで怒ってしまったこと』『なにか気に触ることでもしてしまったのか』など悩みを打ち明けた
思わずネガティブな発言をしてしまう私を御影くんは慰めてくれる
「「……」」
ガタンッ
数秒の不自然な沈黙が続くと御影くんは急に座ってた椅子から立ち上がった
そういうと御影くんはダッシュで教室から出ていった
ただ『なにやってんの』と聞かれただけでこんなにへこむとは、、しかも凪くんだから尚更…
私はまた机に伏せ直してしまった
ー御影視点ー
あなたの教室を飛び出した後、俺は凪のクラスへと向かった
ガララッ
扉を開けると廊下側から1番遠い窓側の席で凪はいつも通り寝ていた
一声かけてみても凪は全く起きない様子だった
……起きない様子、じゃないな
微かに凪の肩が揺れる
やっぱり起きない様子じゃない
今の凪は''起きてるけど''起きない様子なんだ
『……』
そういうと凪は静かに顔を上げた
いつもより顔色はくもっていて何処か不安そうな表情だった
微かに凪の頬が緩む
俺は凪のその反応に嬉しくなって
思わず『それってあなたの事が気になり始めてるってことか!』
なんて言おうとした時凪の顔が一気に曇った
そういうと凪は、電池が入っていない機械のように微動もしなくなった
数十秒後
凪はやっと口を開いた
するとまた机に伏せる形になる
凪の頬がほんのり赤くなる
ガタンッ
急に立ち上がったと思えば、凪は『謝らないと』とダッシュで教室を出ていこうとする
急いで教室を出ていく凪を引き止めて俺は思っていたことを全部いった
あなたのあんな寂しい表情見たことなかった
いつも元気で、変なところで気を遣うアイツだから凪に冷たくあしらわれた後でも誰にも相談できずにいたんだろう
それのせいで不安が溜まって、あなたは気付いてないようだったけど話聞いてる時にぽろぽろ涙を流しながら授業の事について俺に話していた
凪は顔色1つ変えずにお礼をいって走っていった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。