第18話

素直
217
2023/04/03 15:16


私は御影くんに『三村くんに協力してもらい凪くんのことを起こそうとしたら凪くんが起こされたことで怒ってしまったこと』『なにか気に触ることでもしてしまったのか』など悩みを打ち明けた








御影 玲王
御影 玲王
なるほどなぁ…
(夢主)
もうどうしよう…嫌われちゃったかな…

御影 玲王
御影 玲王
いやそれはないって、凪もきっと寝起きで機嫌が悪かっただけだろ




思わずネガティブな発言をしてしまう私を御影くんは慰めてくれる












「「……」」









ガタンッ



数秒の不自然な沈黙が続くと御影くんは急に座ってた借りてた椅子から立ち上がった


御影 玲王
御影 玲王
ごめんあなた、俺凪に奢るって言ってた焼きそばパン渡しに行かねぇと
(夢主)
え?あ、うん、行ってらっしゃい…





そういうと御影くんはダッシュで教室から出ていった





(夢主)
(ほんと、御影くんの言う通り機嫌が悪かっただけって思いたいけど…)






ただ『なにやってんの』と聞かれただけでこんなにへこむとは、、しかも凪くん好きな人だから尚更…








私はまた机に伏せ直してしまった






ー御影視点ー







あなたの教室を飛び出した後、俺は凪のクラスへと向かった











ガララッ









扉を開けると廊下側から1番遠い窓側の席で凪はいつも通り寝ていた





御影 玲王
御影 玲王



一声かけてみても凪は全く起きない様子だった







……起きない様子、じゃないな







御影 玲王
御影 玲王
おい凪、ほんとは起きてんだろ




微かに凪の肩が揺れる











やっぱり起きない様子じゃない





今の凪は''起きてるけど''起きない様子なんだ







御影 玲王
御影 玲王
…あなたとなんかあったんだろ



『……』





そういうと凪は静かに顔を上げた






いつもより顔色はくもっていて何処か不安そうな表情だった















凪 誠士郎
凪 誠士郎
…授業中に寝てた俺を、あなたさんが起こしてくれたんだ
凪 誠士郎
凪 誠士郎
おれ、なんか嬉しっくてさ







微かに凪の頬が緩む











御影 玲王
御影 玲王
それって…!!











俺は凪のその反応に嬉しくなって
思わず『それってあなたの事が気になり始めてるってことか!』

なんて言おうとした時凪の顔が一気に曇った






凪 誠士郎
凪 誠士郎
…だけど、起きた時に他の男と嬉しそうに手繋いでてさ

御影 玲王
御影 玲王


凪 誠士郎
凪 誠士郎
なんか、それが無性にムカついて、
折角起こしてくれたあなたさんに傷付くようなこと言っちゃった




御影 玲王
御影 玲王
……それって









御影 玲王
御影 玲王
やきもち…じゃね






凪 誠士郎
凪 誠士郎
……へ




凪 誠士郎
凪 誠士郎
……やきもち、だれが?だれに?
御影 玲王
御影 玲王
おまえがその男あなたと手繋いでたにだよ







そういうと凪は、電池が入っていない機械のように微動もしなくなった


















凪 誠士郎
凪 誠士郎
……そっかあ…





数十秒後








凪はやっと口を開いた







するとまた机に伏せる形になる









凪 誠士郎
凪 誠士郎
…拗ねてただけ、とかすげぇダサいじゃんおれ……








凪の頬がほんのり赤くなる












御影 玲王
御影 玲王
男の嫉妬は見苦しいとかいうけど、俺は全然そう思わねぇぜ!!
凪 誠士郎
凪 誠士郎
いや…それよりも拗ねてあなたさんにあたってたことが本当にダサい…







ガタンッ


御影 玲王
御影 玲王
凪?







凪 誠士郎
凪 誠士郎
ごめん、レオ
おれあなたさんに謝りにいかないと
起こしてくれたのにごめんって、いわないと…







急に立ち上がったと思えば、凪は『謝らないと』とダッシュで教室を出ていこうとする








御影 玲王
御影 玲王
おい凪!!





御影 玲王
御影 玲王
…謝るだけじゃなく、自分のその素直な気持ちをちゃんと伝えろよ!

御影 玲王
御影 玲王
アイツあなたにはもう2度とあんな寂しい顔させんな!!







急いで教室を出ていく凪を引き止めて俺は思っていたことを全部いった













あなたのあんな寂しい表情見たことなかった








いつも元気で、変なところで気を遣うアイツだから凪に冷たくあしらわれた後でも誰にも相談できずにいたんだろう







それのせいで不安が溜まって、あなたは気付いてないようだったけど話聞いてる時にぽろぽろ涙を流しながら授業の事について俺に話していた













凪 誠士郎
凪 誠士郎
…うん。ありがとう、レオ





凪は顔色1つ変えずにお礼をいって走っていった






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