無事報告会(?)が終わり私達は授業へと向かった
白宝高校は超進学校ということもあり積極性も高める為選択授業となっている
そこには先生がこちらを向いているのにも関わらず堂々と寝ている好きな人の姿があった
以前凪くんから得意科目は社会と聞いていたので選択授業で選んでいればいずれ会えるかも?と私は定期的に日本史やら地理やら選んでいたがなんとまだ1回も会ったことがなかったのだ
凪くんは私の席から斜め前の席に座っている
いつか隣の席を勝ち取る
胸に誓ったのであった
凪くんは授業中寝る時の定番として顔の前に教科書を置いて寝ていることがバレないようにする、そんな方法を彼は一切してないのだ
勿論先生にはモロバレだしバレて怒られてるのに中々起きない
しかも見た通り教科書の問2は5問あるので伊藤くんから2個後ろにいる凪くんは確実に当たるだろう
だが斜め前にいる凪くんを起こすはかなり難しいだろう
私は隣の席にいる三村くんに小声で話しかけた
三村くんは凪くんの後ろの席なので起こす事も簡単だろう
快く了承してくれた三村くんは椅子から立ち少し身を乗り出して寝ている凪くんの背中をポンポン叩いた
その後いくつか凪くんを起こす方法を試してみたが一向に起きなかった
私はなるべく音を立てずに椅子から立ち上がり凪くんの傍へと寄る
深呼吸をして改めて凪くんに向き合う
ただ「おきて」って呼ぶだけなのに凄く緊張する
永きに渡った戦いが終わり思わず三村くんと「やっと起きた〜!」と手をとりあって喜んだ
気をつけてね……と凪くんの顔を見た時だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。