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第4話

一緒
1,276
2020/03/11 15:23

ガチャッ__

ななもり。
はい、ここがあなたちゃんの部屋だよ〜
...おおお


広いっ!!
ななもり。
そんなにかなw
ななもり。
普通だと思うけど...
これが普通なんですか!?

私が違っただけ!?
ななもり。
はは、目キラキラしてるw


私の部屋には、
小さなテレビや大きなベッド、机など...家具が揃っていた


それも綺麗だし可愛い!!

ななもり。
どう?気に入ってくれた?
もちろんです!!
ななもり。
よかった、頑張った甲斐があったw
頑張った...?
これ全部なーくんが...?
ななもり。
んーん、俺だけじゃなくて他のメンバーもだよ
ななもり。
一緒に家具買いに行ってセットしたんだ
えぇ!?いいのにそんな...
ななもり。
いいの、俺達がやりたかっただけ!
ほんとですか...ありがとうございます!!
ななもり。
どーいたしましてっ!


こんなに良い人達いるんだ!!

ななもり。
んじゃ、リビング戻ろっか
はい!


リビングに戻ると


ころん
ぎゃぁぁぁぁ!!
さとみ
うお、おっしゃ1位!!
ジェル
ころん落とした!いける!!
るぅと
あれ、ジェルくん最下位...()
ジェル
うお、莉犬も落ちた!!
莉犬くん
くっ、くそぉ...(´;ω;`)
ななもり。
...ごめんね、いつも騒がしいんだw

なーくんは私の顔を見て申し訳なさそうに苦笑いした
い、いえ大丈夫です...
莉犬くん
あ、あなたちゃん!

莉犬さんがこっちに走ってきた
なんでしょう...?
莉犬くん
ちょっとこっち来て?

莉犬さんは私の手を取り、リビングを出た
り、莉犬さん?どこ行くんですか?
莉犬くん
んー?俺の部屋〜
は、はぁ...

ガチャッ__

莉犬くん
よし、ここ座って?
少し小さめのソファを軽くポンポンと叩き

手招きをした
失礼します...?
莉犬くん
よし、じゃあ...
莉犬さんは棚をガサゴソと探り

箱を取り出した
莉犬くん
ちょっと痛いかも、ごめんね?
え、?

すると莉犬さんは私の腕に何かを付けた

つ、冷たっ!
莉犬くん
あぁぁごめん、そうだよね(´;ω;`)
な、なんですかこれ
莉犬くん
ん?湿布だけど?
私は生まれてから傷の手当てなどしたことがない

だから湿布なんて初めて使うのだ
これが湿布かぁ...
莉犬くん
え、使ったことないの!?
ま、まぁ
莉犬くん
逆にすごいね!
すごいと言うか...w
手当とかしてくれる人いなかったのでw
莉犬くん
あ、...そっか、
莉犬くん
なんかごめんね
いえ、違います!全然大丈夫です!

でも

なんで莉犬さんは手当てをしようとしてくれたんだろう...
莉犬くん
さっきなーくんが部屋紹介してたじゃん
はい?
莉犬くん
その時にさ、みんな言ってたよ
莉犬くん
あなたちゃん、芸能人くらい可愛いよねってさ
わ、私が!?
莉犬くん
うん!
芸能人さんとか...やめてくださいよ...w
莉犬くん
それでさ、
莉犬くん
せっかく可愛いのに顔の痣とか傷とか勿体ないねってさ
莉犬くん
そんなこと言われたら俺も悔しいって言うかさw
莉犬くん
痛そうだから手当てしたいなって思って
...っ
そ、そうですか...
莉犬くん
あ、っ...

そうだよね

やっぱそっか

私が親にそんなことされてたから

...だめだなぁ、私
莉犬くん
い、や...ちがっ...!
いや、私そうですよね
ずっと言われてきたんです、周りに
やっぱこいつは...親に虐待されてるからキモイとか...っ
周りと違うとか...っ!
莉犬くん
や、そういうのじゃなく...!
莉犬くん
ごめん、泣かないで...?
え...?

私は頬を触った

すると手のひらに冷たい液体がついた



気づかない間に泣いていた

っ、違います、...
莉犬くん
ご、ごめっ...ほんとに...っ!

ぎゅっ__
へ...?
莉犬くん
ごめん、ごめんね...っ

莉犬さんが抱きしめてきた

ぎゅっと、強く


莉犬くん
っ、...グスッ....

え?

莉犬さんも泣いてる?

り、莉犬さん...?
泣いてますか?
莉犬くん
あ.....ごめんね、あなたちゃんの話なのに
い、いや全然!
莉犬くん
俺もさ、わかるんだよね
莉犬くん
あなたちゃんの気持ち
...え?
莉犬くん
さっきさ、周りと違うとか言われたって言ってたじゃん?
莉犬くん
俺もそうだから...

莉犬さんは泣きながら苦笑いをした
あ、...

お兄ちゃんが言っていたことだ。。

莉犬さんはトランスジェンダー...だよね...
莉犬くん
あ、ごめんね?俺の話ぶちこんで
莉犬くん
聞きたくなかったよね、w

え、違う

そんなわけない

莉犬さんだって辛かったはず...



ぎゅっ___

莉犬くん
っ!?
気付けば莉犬さんを抱きしめていた
辛かったですよね...
莉犬くん
...っ、あなたちゃんもね


私は莉犬さんに何があったのか知らない

ただトランスジェンダーということだけ




でも


何かがわかる

何かを感じる

この人も苦しんでたって


表情も、声の震え方も、手が震えているのも


どこか私と同じだった_____


































あなたちゃん、どこか俺と一緒なんだよな


俺が昔母親に怯えてた頃に似ている


あなたちゃんが何をされていたのか、俺は知ってる


あなたちゃんの兄から聞いていたから

教えた方が一緒に住みやすいと言って俺に教えてくれた


俺はあなたちゃんほど酷くはないかもしれない

でも、感じるものがある



俺と同じように苦しんでた子が身近にいたんだ









俺が__






幸せな生活をこの子に与えてあげなきゃ______


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