俺は聞き間違えたかと思い
ディオスに聞き返した
俺は舌打ちをして「もう行け」と手で追い払う
しかし…何の因果だろうか
まさか_________とは…
かれこれもう20年以上前
俺とじいさんは出会った
俺が悪徳貴族を殴っているところをじいさんに止められた
じいさんは必要に俺の名前を呼んだ
俺を離すまいと腕を掴まれたような
感覚になぜか…
胸がすごく締め付けられた
お茶がこぽこぽと音をたてながら
カップに注がれていく
そして隣に美味そうな菓子が並べられた
俺は待ちきれずに机にお皿が置かれた瞬間に
菓子を手に取って口に入れる
何を言っているのかさっぱりだった
けど…じいさんはあの貴族たちとは違うことだけはわかった
あの時にはすでに
暖かい紅茶と甘い菓子のせいなのか
反抗する気にもならず素直にじいさんの言葉が届いた
馬鹿馬鹿しい話なはずなのに
俺の目の前が開けた気がした
それから何度かじいさんのもとを訪れるようになった
じいさんは赤い髪の少女を可愛がるようになっていた
少しその少女が羨ましいと思えてしまったことは内緒だ
じいさんは長くない…そう…感じさせるようになった
少女にだけはそれを悟らせまいと
振る舞う姿まで見てしまった
俺には何も教えてはくれなかった
俺が子供代わりだとか気がきいたことが言えるわけじゃない
俺は舌打ちをして
________アリア村を後にした
______数年後
アリア村に行けばすべてが焼跡になっていた
じいさんの言葉を理解したのは
________すべてを失った後だった…
俺は独り、天井を見上げる
次回「忘れられた者」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。