第86話

つながる
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2026/04/19 11:00 更新




ベン
は?リシア・ローバン…?
ベン
リシア・…ブラットではなく…??

俺は聞き間違えたかと思い
ディオスに聞き返した

ディオス・ベリー
なんでも、結婚してるとかで

ディオス・ベリー
残念でしたね〜ボス〜
ディオス・ベリー
既婚者じゃ手も出せない

ベン
手が出したくてお前に情報持ってこさせてるわけじゃねえんだよ

俺は舌打ちをして「もう行け」と手で追い払う





しかし…何の因果だろうか


まさか_________とは…








ベン
誰だジジイ



かれこれもう20年以上前

俺とじいさんは出会った




俺が悪徳貴族を殴っているところをじいさんに止められた




???
私はゼクリア・ローバン
ベン
ゼクリア・………ローバン…









ゼクリア・ローバン
君の名前は?
ベン
…………




ベン
ベン…
ゼクリア・ローバン
ベンか……いい名前じゃな






ベン
けっ………なにがいい名前だよ
ベン
誰がつけたかもわからねえ名前なんざ…



ゼクリア・ローバン
ベン…わしの家でお茶でもしよう
ベン
はあ?


じいさんは必要に俺の名前を呼んだ

俺を離すまいと腕を掴まれたような
感覚になぜか…




胸がすごく締め付けられた









ベン
なんで俺がお茶なんて……

ゼクリア・ローバン
いいからいいから

お茶がこぽこぽと音をたてながら
カップに注がれていく



そして隣に美味そうな菓子が並べられた

俺は待ちきれずに机にお皿が置かれた瞬間に
菓子を手に取って口に入れる


ベン
うめえ…



ベン
おいジジイ…じゃなくてじいさん

ゼクリア・ローバン
ん?ないんだいベン

ベン
じいさんはなんでこんな小さな家に住んでんだ??
ベン
貴族なんだろ??








ゼクリア・ローバン
貴族ではないな

ゼクリア・ローバン
わしも昔は小さなその足場に必死にしがみついていた時期があった
ゼクリア・ローバン
しかし、それを捨ててでも守るものが出来た
ゼクリア・ローバン
やらなければいけないことがあるんじゃ

何を言っているのかさっぱりだった

けど…じいさんはあの貴族たちとは違うことだけはわかった





ベン
じいさん……


ゼクリア・ローバン
無力なのは事実じゃ
ゼクリア・ローバン
ベンにしてやれることは何もない


ゼクリア・ローバン
じゃが言えることはある



ゼクリア・ローバン
ベン…お前は搾取する側になってはいかん
ベン
……
あの時にはすでに

暖かい紅茶と甘い菓子のせいなのか
反抗する気にもならず素直にじいさんの言葉が届いた



ゼクリア・ローバン
ベン…お前には力がある
ゼクリア・ローバン
拳がある

ゼクリア・ローバン
胸を張れる生き方をすればついてくる人間は大勢いるだろう
ゼクリア・ローバン
搾取する人間を減らしたいなら搾取されない人間を増やすんじゃ
ベン
!?!?

馬鹿馬鹿しい話なはずなのに
俺の目の前が開けた気がした











それから何度かじいさんのもとを訪れるようになった


ベン
そんでさあ…!ディオスのやつが砂糖と塩を間違って〜!

ゼクリア・ローバン
ゴホッ!ゴホッ!
ベン
じいさん…?



じいさんは赤い髪の少女を可愛がるようになっていた

少しその少女が羨ましいと思えてしまったことは内緒だ




じいさんは長くない…そう…感じさせるようになった


少女にだけはそれを悟らせまいと
振る舞う姿まで見てしまった






ゼクリア・ローバン
心残りがあるとすれば……
ゼクリア・ローバン
息子のことじゃな…
ベン
!?じいさん子供がいたのかよ



ゼクリア・ローバン
妻も子も捨ててしまったんじゃ…




ゼクリア・ローバン
私は命を絶やす訳にはいかなかった…
ゼクリア・ローバン
じゃが……ここにいたらあの子らも死んでしまう…
ベン
死ぬって…何言ってんだよっ…!


俺には何も教えてはくれなかった

俺が子供代わりだとか気がきいたことが言えるわけじゃない









ゼクリア・ローバン
ベン……お前も、もう…ここには来るな



ベン
は?












ベン
ああ…そうかよっ…!出てってやるよっ!
ベン
二度と来るかっ!
ゼクリア・ローバン
ベンっ!

俺は舌打ちをして






________アリア村を後にした







































______数年後






ベン
…………は?




アリア村に行けばすべてが焼跡になっていた


じいさんの言葉を理解したのは




















________すべてを失った後だった…











ベン
ローバン…ねえ〜………

俺は独り、天井を見上げる

















ベン
じいさん…………これも運命なんだろうな







次回「忘れられた者」

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