第83話

最終話
3,738
2024/06/23 14:36 更新
ツナっち
そろそろ寝ないと明日にひびきますよ〜。
あなた
うん、でも今日はもう少し…。
ツナっち
…まだ無理そうなんですか?その、あなたさんの、茶番ちゃん?って子は。
あなた
…そうだね、もう少しで完成なんだけど…。
そっと机に置かれた未完成の茶番ちゃんを見る。

あれから10年。私はもう大人になった。

あの日、私が彼らから逃げた日。無事クラレ先生達と海外に逃げ先生の人脈を頼りに生計を立てた。

私は先生のご好意でこの場所にいる。本当に先生様々だよ。

彼らは、あれから裏社会の立派な住民になってしまった。wrwrdという名前の秘密結社を立て、かなりの勢力があるそう。

私たちは拠点を転々としている。それは彼らに居場所を特定されたり、クラレ先生の追っ手が来たりだったり様々だけれど、常日頃から私たちは狙われている。

彼らは諦めることを知らないのか、今でも私の事が本気で好きらしい。
あなた
らっだぁ達はもう寝たの?
ツナっち
はい、今日もぐっすり寝てましたよ。
あなた
そう、よかった。
らっだぁが撃たれたあと、ナタリーさんが的確な応急手当をしてくれたおかげで命に別状はなかった。

今は私たちと、ここに来るまでに出会った五人と一緒に行動している。

らっだぁ運営設立だー!なんて騒いでいたのが懐かしい。今ではセキュリティ管理にとても助けられている。
ナタリー
体冷やすっすよ〜、はいコーヒー。
あなた
やったー、ナタリーさんのコーヒー好きなんだよね。
クラレ
おや、まだ寝ていないのかい?
あなた
それを言うなら、あなた達3人もですよ。
クラレ
いやぁ〜、
あなた
まぁ、最近また忙しいですからね。あの"アプリ"も完成させなきゃだし…。
ナタリー
最近またwrwrdからの刺客きてたっすから、そろそろ移動しないとっすね。
あなた
また…、早いね。
ナタリー
……別にあなたさんのせいじゃないっすから。
あなた
…、ありがとう。
ツナっち
茶番ちゃん、早く元に戻るといいですね。
あなた
うん、絶対また一緒に話すから。そう、約束したからね。
厳重に保管しているチップを手に茶番ちゃんを思い出す。

最初は敵と思って恨んでいたけれど、茶番ちゃんはいつも私を支えて、未来へ導いてくれた。

絶対にまた、一緒に話そうね。

そう深く心に誓った。

















真夜中、沢山のパソコンの前に私は座っている。
薄暗く、ブルーライトがほんのり照らす部屋にはキーボードの音だけが響いている。

珈琲を飲んでふとカレンダーを見る。
あなた
(たしか、この日は…)
そうだ、今日は……。

キィっと椅子を軋ませゆっくり後ろを振り向く。



拝啓別世界の過去の私へ

私は今元気にやっています。最愛の家族を失い、仲良かった友達も失い、親友も失いました。

まともな青春も送れませんでした。

きっと今あなたは、知らないアプリやプロフィール、茶番ちゃんという怪しい存在に日々困惑しているでしょう。

とても楽な人生とは言えないけれど、頑張って乗り越えた先には楽しく、大変な日々が待っています。

だから___
あなた
どうか、諦めないで。
あなた別世界の私には、やってもらわないといけない使命があるから。


願わくば、あなたの未来に幸おおからんことを。




__END

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