この小説には不快な表現や鬱展開があります。
苦手な方はここで逃げてください。
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朝のニュースをお伝え致します。
今日の天気は晴れのち曇り、
最高気温は19℃、最低気温は9℃です。
長袖の羽織ものが活躍する一日になるでしょう。
不意に聞こえてきたニュースの音に、
僕は焦って飛び起きる。
ニュースを流し見しながら仕事の支度をするのが、
毎朝のルーティーンになっていた僕にとって、
アナウンサーの声は何よりも強い目覚まし時計だった。
そもそも、僕の仕事のことは言に伝えていない。
あまり人に言うような仕事じゃ無いから。
なのに僕の状況を知っているなんて、
双子ってやつは恐ろしい。
なんだか満足そうに笑う弟を見ると、
不思議と自分にも笑いが感染っていく。
この暖かい気持ちは何だろう。
家族愛でも、友人愛でも無いこの気持ち。
もしかして、恋愛なのかな。
流石にそれは無いか。
ブラックな仕事から解放されて、
少しテンションが上がってるだけ。
これから暫くは上司の怒号は聞こえないし、
先輩の下劣な言葉にも耳を傾けなくて済む。
部屋から出なければ、
周りの住人の目も気にしなくて済むのにな。
ゴミ捨てと掃除は僕の担当だし、買い出しも僕の担当。
否が応でも外に出ないと生活がままならない。
けど、僕には暗闇を照らしてくれる弟が居る。
その事実だけで勇気が湧き上がり、生きる気力が溢れ出す。
そう考えると僕は、
言葉に出来ないほど複雑で重苦しい感情を、
弟に向けているのかもね。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!