第3話

先輩 後輩 なんか…
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2021/09/25 23:50
モブA
マジでさァ、なんでまふくんに近づくの?
モブB
やめたげなよー、男好きなんだよきっとぉ
モブA
あははは!そうだね!
ごめんねぇ、でもさぁキモイんだよね。何?ホモってやつ?
でさ、まふくんはね、私達みたいな“女の子”が好きなんだよね、だから、引いてくんないかなぁ
何時もより図書委員の仕事が長引き、帰るのも遅くなってしまった。


文化祭前だ、忙しいのはしかたない。でもさ、こんな柄悪い奴につるまれるなんて思わんじゃん。


此奴ら、まふの過激ファンだ…
あなた
あの、別に俺、まふを恋愛感情で見てな
モブB
じゃあ近づかないで?あんた、いっつもまふくんと一緒に帰るせいでさ、あたしたち入る隙ないんだよね。さっさと消えてくんな
過激ファンBは突然固まり、青白い顔をした。


え、情緒不安定?
真冬
先輩に手ェ出すな
…消えろよ
モブA
あ、これは、ちがくて…!
真冬
ふぅん、じゃあさっさと失せてくんない?俺と先輩の時間邪魔しないで
い、一人称変わった。


まふは感情が高ぶったり、無意識のうちに一人称が僕から俺に変わる時がある。


最近は聞かないかったんだけど、やっぱ一人称俺もいいなぁ…


って、あの二人居なくなってる。
真冬
先輩ーー!なかなか校門まで来ないから迎えに来たんですよー!
あなた
あ、嗚呼、ごめんごめん…そっか、確かまふは早く仕事終わったんだっけ。
真冬
ちょ、忘れちゃったんですか?!?
僕が仕事代わりにしますって云ったら門で待っててっていってたの先輩ですよ??!?
あなた
あえ…其れは悪いことしたな…じゃあ帰ろっか
真冬
先輩に何かあったら、僕もう…っ
あなた
もぅ、すぐそう言うんだから。
大丈夫だよ、さ、帰ろ
ちょっと言動が過激なのは、まふの特徴…?程度にしか思ってなかったけど…。


ていうか、その時の俺はきっとこれが普通だと思ってたんだ。


だって、僕はまふ以外に友人と呼べる人が一人も居なかった。


どうしてか、なんて考えたことは無かったんだけど。

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