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第1話

終わりの始まり 始まらないRe:スタート 消えた『英雄』
711
2025/05/10 06:16 更新
あてんしょん!!!


・エミリアが王様になってます。
 (他王選メンツも、エミリアの『全員王様になったらいいじゃない!』の一言で
 日本の内閣みたいにそれぞれの分野で王となっている。
 エミリアは国を公平にする、アナスタシアなら経済面、クルシュなら内政・外政面のように)

・暴食・色欲の被害者は全員復活(レム、クルシュ、ユリウス等々)

・オットーとか非戦闘員は大人しく監視塔で待ってます。(スバルの導き出した最適解がこれ(二人はスバル心配ズ))

・ラインハルトはラインハルト法で国に出られないため来れません。
 てかどっちにしろ魔法使えなくなるので来ません。
(ラインハルトが居なくなると国が危ないし、魔法使えなくなるし…
『最も新しい英雄』スバルさえいれば解決するだろうとか自分可愛さに物を言う賢人会の方々)

・なんかいろいろ強いです。(ユリウスの技とか)

・色々捏造してます。(サテラの倒し方とか)

・セリフ間違ってても気にしないでください((え

・冒頭がクッソ長いです。9,000文字目くらいでやっと書きたいところです。
 書くの下手くそですね。





原作読了後に6章までが目安読むことを推奨します!!












時は、『嫉妬の魔女大征伐』。
今、様々な者たちが準備を進めているところである。
スバル
…ぁ…ふ…、っ…!
スバル
戻って、来た……!
そしてこの男、ナツキ・スバルは。
スバル
これで…5回、目…
たった今、『死に戻って』来た。
仲間の死という運命に抗うために。

スバル
もう、散々だ…なんなんだよ…アイツ、ただのチートじゃねぇか…
それ『死に戻り』は今、5回という試行回数になっている。
スバル
でも、こんな目に合うのは俺だけで十分だ…
…だーっ!!他の皆には心配かけられねぇ!笑えよ、俺!
ユリウス
…おや、スバル…?
こんなところで、一体何をしているんだい?
スバル
うおっユリウス!ビビらせんなよ…!
ユリウス
勝手に驚いたのはそちらだろう…
スバル
いやぁ…もう少しで『大征伐』だなって思っててよ…
はは、俺、柄にもなくビビっちまってる…
ユリウス
ふ…別に柄にもない何てことはない。誰しも恐れてしまうものだよ、スバル。
それにしても…如何やら、少し顔色が悪いようだが…大丈夫なのかい?
スバル
えっ、俺そんなに!?
あはは、大丈夫だって!んもーお前に心配されるとかマジ嫌だわぁ…
ユリウス
し、しかし…
スバル
あーもううじうじしない!大丈夫ったら大丈夫だから!!
ユリウス
うむ…君がそう言うなら信じようとも。
だが、何かあったらすぐ呼ぶことだ。分かったかい?
スバル
俺は子供か…っ!!
はいはい分かりましたよー『最優』サマ!
スバルの気持ちは、重い。
スバル
はぁ…
もう、誰が殺されるのか。死因は。場所は。
全部全部わかっている。
そして、一番最初に殺されてしまうのが…
スバル
ユリウス…
きっと、次こそは_________
死んだ。
スバル
…っ!!
スバルの意識は、さっきと同じところで回帰した。


スバル
6回目…
またみんなと同じ会話をして、同じ動きをする。
決して心配をかけちゃだめだ。ナツキ・スバルは道化師だ。ただひたすらに繕え。
死んだ。
次も死んだ。
その次も死んだ。
スバル
ど…ぅ、して…
18回目。
それが、ここに至るまでの回数。



仲間は救えない。救えなかった。

______救わなかった?
スバル
っ…!!違う、違う…ッ…!
ユリウス
…?...…っ!?
……ル!
俺はただ…!

『俺は』?
ただの言い訳ではないのか。
ユリウス
スバル!!
スバル
っ、あ…ぅ……ゆり、うす…
突然肩をつかまれ、名前を呼ばれる。
目の前には、美丈夫___まさに、今考えの渦中にあったユリウスがいた。
ユリウス
どうした、スバル。呼びかけても反応しなかった…どこか悪いところでもあるのかい?
スバル
い、いや……ごめん、心配かけちまったよな。悪ぃ悪ぃ…じゃ、俺行くわ…っ!?
ユリウス
そんな顔をして言っても説得力などあるはずがないだろう…一度エミリア様たちの元へ行った方が…
スバル
ッ、いいから!俺のことなんか心配しなくてもいい!
急に強く言われて虚を突かれたのか、ユリウスの掴む力が弱まる。
その一瞬の隙に腕を引き、駆け出す。
ユリウス
っ!スバル!?
スバル
はぁ…はぁっ…
エミリア
わ、スバル?どうしたの?そんなに息を切らして…
スバル
あ、エミリアたん…心配してる顔もEМT!
エミリア
もう、茶化さないの!
スバル、顔色悪いけど…大丈夫?
スバル
大丈夫大丈夫!
エミリア
ほんと?嘘じゃない?
スバル
ほんとのほんと!
エミリア
ん…もう、しょうがないんだから…今回は見逃してあげます。
次、何かあったら……
もし無理してたら、膝枕しちゃうんだからね?
スバル
エミリアたんこそ、大丈夫なのか?
エミリア
うん。もう準備万端!いつでも戦えるわ!
スバル
すげー気合入ってんのな…!
ま、みんなで頑張ろ!
エミリア
ええ!
スバル
あービビったぁ…
今までの周回になかったエミリアとの邂逅。
どうして変わったのかは分からない。

だけど、エミリアの緊張して、それでいてやる気に満ち溢れている顔を見たスバルは、
何度死んでもこいつらを守ってやる、ともう一度覚悟を決める。
スバル
『この周回でこそ、エミリア…みんなを…必ず、…』
『救ってみせる』。
18回目の顔合わせ。
さっきまでは見るだけで震えそうになっていたのに、
今ではそんな恐怖はどこへ行ったのかスバルの心の中は闘志で満ちていた。
スバル
よぉ…『嫉妬の魔女』。
お前とは今まで世話になったな!
___ッレム!!
レム
『アル・ヒューマ』ッ!!!
無論、こんなものでは傷1つつかないのはもう知っている。
少しでも意識をそらしてもらうためだ。
嫉妬の魔女
スバル
ベア子行くぞっ!!
ベアトリス
いつでもいいのよ!
スバル&ベアトリス
『アル・シャマク』!!
体の中から大事なナニかが抜けていく感覚。
だが、ここでへたれていては先に進まない。
歯を食いしばって耐える。
…実を言うと、魔法を使ったこと以外にも原因があるのだが。
スバル
ぁ、ぐっ…
ベアトリス
スバル!無理するなかしらっ!!
スバル
だ、い…じょうぶ…
流石に大魔法+コル・レオニスはきつい…
大体はラム…アイツさえどうにかなれば…っ!
ベアトリス
ッ…『アル・シャマク』でも駄目…
一体どうすれば…
嫉妬の魔女
……………、…?
サテラ
…スバル君……?
『嫉妬の魔女』…『サテラ』が口を開き、スバルの名前を発したことに一同は騒然とし、警戒を強める。

スバルだけが、不敵に笑っていた。
スバル
ふっ……
レム
レムのスバル君の名前を!!お前が呼ぶなぁぁぁぁ____!!!
『アル・ヒューマ』!!!
『アル・ヒューマ』!!!
『アル・ヒューマ』ッ!!!!
3度も連続で最大出力を出すレム。
体への負荷が甚大なもののはずが、疲れ1つ見せない。
それもそのはず、『鬼化』しているからだ。

持ち前の腕力で『モーニングスター』を振り回し、氷で『嫉妬の魔女』に攻撃をする。
レム
るぅあぁぁぁ_____っ!!!
ラム
レムッ!!!
____バルス、何を考えているのか知らないけど、早く行かせなさい。
…さもないと…
スバル
まだ大丈夫だ、姉様。
レムはまだ、戦える。
ラム
何処からその確信がッ…!
スバル
今、あいつサテラはおれのことにしか目がいってねぇ。
他のことなんて後回しにしちゃうくらい、な。
ラム
でもっ…
実際は『死に戻り』で得た情報なので話せないのだが。
スバル
俺を信じろ。信じてくれよ、姉様。
ラム
…チッ、バルスの分際で…
スバル
ちょっとぉ!?それはひどッ___ユリウス!!
ラムと話していると、最初にユリウスが殺された場面になった。
すかさず声をかけると、ユリウスは後ろから寄る禍々しい雰囲気を察知し、避けて、攻撃を____
ユリウス
承知した!!
____『アル・クランヴェル』!
____『最優』の騎士が、6色の眩い光をまとってサテラへと攻撃を仕掛ける。
スバル
おぉ…っと見とれてる場合じゃねぇ!
スバル
エミリアッ!!
エミリア
うん!
…貴女なんか、けちょんけちょんにしちゃうんだからっ!!
『コキュートス』!
それからっ!『アイシクルライン』!!
パック
ボクもいっくよー!!
それぇっ!
エミリアが氷の檻を作り、氷雪結界の中を氷の武器で集中攻撃。
パックが出した氷の結晶が、サテラの体へと降り注ぐ。
かなり大規模な魔法の行使。
空気中のマナがパックやエミリアへ向かい、その周りで渦巻く。
エミリア
えいっ!とりゃ!それぇーっ!
何とも気の抜ける掛け声だが、戦火は火を見るよりも明らかだ。
しかし、そんな攻撃でもサテラは傷1つつかない。
エミリア
んもう!悪い子なんだから!
スバル
っ!!
エミリア!避けろ!!
エミリア
!!
危ないわ…ねッ!!
まさに危機一髪。
エミリアは、攻撃を受けるギリギリの所で避けた。
スバル
ロズワール!!
ロズワール
はぁーい、任せたまぁーえ!
ロズワール
『アル・ゴーア』!
『アル・フーラ』!
『アル・ドーナ』!
『アル・ヒューマ』!
すらすらと音読するように詠唱するロズワール。


天から炎が降り注ぎ、氷の杭が発射され、土は暴れ狂い、風の刃が切り刻まんとサテラを蹂躙する。
ロズワール
まだまだあるよぉーお?

『アル・ジワルド』!
『アル・ミーニャ』!
加えて、白の熱線と紫の結晶が追い打ちと言わんばかりに飛んでいく。
スバル
おぉ!!流石筆頭宮廷魔導士!
最大出力『アル』系統の連発!!
…でもっ…!足りねぇ…!
ロズワールは空中戦をしてもらっているため、非常にマナの減りが早い。
おまけに、大魔法も行使しているため現状は良くてもあとあと押されていくだろう。
スバル
ッ、クソ!これじゃ埒が明かねぇ…!
スバル
何かないか何かないか何かないか…!?
必死に頭を回し、打開策を考える。

皆に向かっている照準を、どうにかして絞れれば…!
スバル
あ…これ、ならっ…!
スバル
ベア子、耳、塞いでてくれ。
ベアトリス
分かったのよ。
何も聞かずに従ってくれるのはこちらとしてとてもありがたい。

そして、スバルは『禁忌』を口に____
スバル
俺は、『死に戻り』をしてッ…!!!
一瞬が無限に引き延ばされ、時間が停滞し、空間は暗闇に包まれる。

例のあの手が伸ばされて、スバルの心臓を掴む。
スバル
戻って…来たぁぁっ!!!
サテラ
…すばる……くん…
予想通り、魔女の見えざる手がこちらに伸びてくる。
スバル
ベア子!
ベアトリス
分かってるかしら!
『ムラク』!
自身にかかる重力を低減させる『ムラク』を使い、魔女の見えざる手を避け続ける。
スバル
くっそっ…これじゃジリ貧だ…!
どうする…どうすればっ…!
そうして考えることに集中しすぎていたスバルは、背後から忍び寄る黒い影に気付かなかった。
ベアトリス
スバル!!
エミリア
スバルっ!!
レム
ぁ…スバル君っ…!!
ラム
チッ…馬鹿バルス!!
スバル
っ!!…は、っ…!!
エミリア
『ウル・ヒューマ』!!

…お願いっ…!
エミリアは、咄嗟に氷を出し、それを使って魔手を蒸散させ時間を稼ごうとするも、一歩届かず。
先にスバルが呑み込まれる方が早かった。
ここ、は……


あぁ、俺…サテラに呑み込まれたんだっけか…
スバル
それとも…嫉妬の魔女…??
どっちだか知らねぇが、こんなところからはさっさとおさらばしますかね…!
サテラ
スバル君…
スバル
っつぉ…!?
って、サテラかよ…まだマシだ…
気付けば周囲は暗闇ではなく白へと変わっていた。
サテラ
スバル君…私を、殺しに来てくれたのね…。
スバル
っ…それ、は…
事実なので否定できない。しかし、本人の前で言うのもどうなのだろうか。
サテラ
あの時の、約束…。守って、くれたのね…
まるでスバルに思い出させるように言葉を繋ぐサテラ。
スバル
あ…あの、時の…!
スバル
俺が…必ず、お前を…!
サテラ
いつか、必ず…私を、殺しに来てね…

『救ってみせる』
スバル
で、でも…
サテラ嫉妬の魔女とは、世の中の災厄で、忌避されるもの。
だから、『英雄』スバルサテラ嫉妬の魔女を倒さなければいけない。

でも、どうだ。今、スバルは揺れている。

____目の前にいるサテラは悪事を何もしてなくて、俺に『死に戻り』を与えてくれた…
______倒すべきは、『嫉妬の魔女』ではないのか。
_________。


そうやって悶々と考えて自己嫌悪。
どんどん自分のことが救えなくなっていって仕方がない。

その時、サテラが動いた。
サテラ
私は、貴方に何度も助けられました。
だから、今度は私の番。

貴方を、赦します。
例え世界と優しい貴方が赦さなくても、私が赦します。
だから…どうか。私を殺してください。
愛しい貴方の、その手で。
スバル
…ぅ、っぐ…俺を、赦さなくていい。
俺を、恨んでくれていい。

だから_______
ごめん。



そう言って、『怠惰』の権能、インビジブル・プロヴィデンス不可視なる神の意思を発動。
大事なナニかが削れていく感覚がある中、最後の気力を振り絞って、サテラ嫉妬の魔女の心臓を掴む。
サテラ
あぁ…ありがとう、スバル君…。
私を、殺しにきて助けにきてくれて…。
きっと、それが最後の言葉。

そう言った途端、サテラは靄となり、消滅した。きっと外でも同じことが起こっているんだろうか。
スバル
そうだ、嫉妬の魔女…!!
忌々し気に歯を噛みしめるスバルは、目下の課題である『嫉妬の魔女』について考える。
スバル
……そーいや…
スバルは、サテラ=嫉妬の魔女
だということを思い出す。

人格は違えど、体は共有されているのでは?
スバル
…もし、これが正しいなら…
嫉妬の魔女は、も、サテラも死んでいる。

そこまで思考が追いついたとき、急に『見えざる手』の反動が来た。
スバル
…あ、がぁっ!!
膝から崩れ落ちる。

同時に、嫉妬の魔女の体も崩壊を始める。
世界が回って、黒と白が混ざって、それから_____
スバル
う…ぐ…ぅ…
スバルの意識は暗転した。
エミリアside
スバルが嫉妬の魔女に呑み込まれてしばらくした後。
突然、嫉妬の魔女が淡く光ったと思ったら、光の粒子になって消えそうになっていた。
エミリア
え、ええ…と…?
みんな一生懸命戦ってたから、急に光り出してびっくらこいちゃった。
エミリア
違う…そうじゃなくて…スバル!!!
そう。スバルの姿が見えない。
ベアトリス
スバル…
レム
スバル君…無事でしょうか…
ラム
ッ…エミリア様、ラムの『千里眼』がバルスの姿を捉えました。
エミリア
…よ、よかった、まだいるのね…どのあたりに?
ラム
今は、あの…、!!エミリア様!!
エミリア
ラム!!
何事かと思ったら、嫉妬の魔女が暴れ出していた。

もう倒したと思ってたけど…まだだったの…!?
エミリア
…いや、違う…?
どうやら違うみたいで、最後の最後で反抗しようとしていたみたい。
全く、お騒がせなんだから…
ベアトリス
スバル!!!
そうやって安堵していると、スバルの『ぱあとなあ』の特徴的な高い声が聞こえた。
スバルが見つかったようだ。
ユリウス
エミリア様達はお下がりになっていて下さい。ここは、私が。

____アロ!
そうしていると、今度はユリウスが動く。





6属性の精霊の内、風属性を示す緑色に輝くアロが、呼びかけに応じて一際輝きを増す。
そして、風を操り、それに乗ってスバルの元へと近づく。
ユリウス
ラム女史によると、スバルはこの辺りにいるはずなのだが…
嫉妬の魔女が暴れているところをくまなく探す。
すると、透けている嫉妬の魔女の体の中に、薄ぼんやりと人影を見つけた。
ユリウス
スバル…見つけた…!!
ここから助け出すために、6属性の精霊たちの力を借りる。
ユリウスの周りに6色の光が現れ、目配せした後、詠唱。

全てを斬り裂かんとする、虹色の極光を_____
ユリウス
『アル・クラリスタ』!!
攻撃を受けた部分が大きく抉れ、倒れているスバルを発見した。
ユリウス
スバル!!…っ!!
全体的に怪我がひどいが、命に別状はないだろう。
しかし、出血が酷く、顔色も悪いため、無事とは言い難い。
ユリウス
君は…どれだけ無茶をして…
今、私がどれほど君を心配しているか…
…早くあちらへ行かなければっ…
エミリア
!ユリウス!
ユリウス
エミリア様。ベアトリス様に、レム女史。
スバルは無事です。
ですが…負傷が酷く、私の精霊術では直せそうにない…
なので、レム女史。貴女にスバルの治療をお願いしてもよろしいでしょうか。
レム
はい。任せてください。
それと…スバル君を助けてくれたこと、恩に着ます。
…ありがとうございました。
ユリウス
友を助けるのは当たり前の事。
お礼に着るくらいではありません。
ですが…どういたしまして、レム女史。
…必ずや、スバルを目覚めさせてください。
レム
ええ。分かっています。
スバル君の為にも、ユリウス様の願い事なら、レムがしっかりと聞き入れます。
ユリウス
…お願い、します。
エミリア
えっと、私は監視塔で待っていてくれてる二人に声をかけてくるわね。
レム
はい。お願いします、エミリア様。
エミリア
二人とも―!!終わったから出てきて大丈夫よー!!
オットー
…おや、エミリア様…もう終わったんですか?
エミリア
ええ!みんなで協力して、ぎったんぎったんにしちゃったんだから!
ガーフィール
俺ッ様も参加したかったぜェ…
オットー
あなたは僕の護衛でしょ…
ガーフィール
…エミリアッ様、何かスゲェ地面が揺れてたんだが…あれは、エミリア様か…?
それとも、クソロズワールゥ?
オットー
えぇ…魔法、『アル』系統ばかりでしたよね…?大丈夫だったんですか?
エミリア
そうなの!
すごいのよ、ロズワールったら!
オットー
へぇ…そうなんですか。
(敵に回ったらと考えると…やっぱり考えるだけで恐ろしいです…)
エミリア
それと、スバルも!すごーく頑張ってくれてたわ!
オットー君は、ちょっと怒っちゃうかもだけど…
オットー
ナツキさんを…?
エミリア様、今、ナツキさんはどうなって?
エミリア
スバルは…今はまだ起きてないと思う。レムが治療してくれているけど…
さっき、スバルは嫉妬の魔女に呑み込まれちゃったのよ。
ガーフィール
嫉妬の、魔女…にィ…!?
た、大将ォは大丈夫なのかよッ!!
オットー
ガーフ、落ち着いてください。
レムさんに治療されてるってことは大丈夫ってことですよ。
…無茶はしたみたいですが。全く、ナツキさんめ…『聖域』でのこと反省してないな…?
エミリア
えー、ええーと、スバルはすごーく頑張ってくれたから、労ってあげなきゃ。ね?
オットー
あはは、本気でしようなんて思ってませんよ。
…まあ、そうですね。今くらいは休ませてあげましょう。
ガーフ、静かにしててくださいよ。
ガーフィール
た、大将ォのとこ行こうぜッ…!
オットー
わか、分かりましたから腕引っ張んないで下さい痛いです!!!うあぁぁいだだだだ!!!
ガーフィール
うおッオットー兄ィすまねェ!!
エミリア
ふふ、仲良しね。二人とも。





ここはどこだ。

…夢?それにしてもおかしすぎるだろ。何にもねぇ…まるで、
スバル
『死に戻り』を打ち明けたときみたいな…
スバル
あ、俺喋れるのかよ…ビビった…
サテラ
スバル君…
スバル
!?
いきなり背後から声がして、振り返るとそこには…
スバル
サテラ…
サテラ
ごめんなさい、スバル君。
私は、大切な貴方に贈ったものを私が守り切れませんでした。
『オド・ラグナ』は私よりも立場が上だからです。
だからもう、『それ』は使えません。

ごめんなさい、スバル君。
私は、大事な貴方を『この世界』に残せませんでした。
力がないからです。
でも、それを気に病まないで、それで自分のことを嫌いにならないで、それでも自分を大事にして…

ごめんなさい、スバル君____
スバル
な、にを…
何を言ってるのか、わからない。


脳が、理解することを必死に拒んでいるようだ。





でも、ひとつだけ。
スバル
謝らないで…くれよ…
スバル
俺は今まで、世界に対する『ズル』をしてた…
だから、いつかそうなるってのも分かってた。
『昔の』俺なら逃げただろうさ。
こんなのなしだ、ってな。

でも…『今の』俺はそこまで最低じゃねぇ。
ちゃんと、世の理不尽ってのを受け止めるからさ。

…サテラ、今までありがとう。
『俺を、救い続けてくれて。』
サテラ
…愛してる。
これからもずっと、私は、貴方を…愛しています。
スバル
…おう。
すると、辺りは白い光で埋め尽くされた。

これで、もうサテラには会えないと直感する。
スバル
行ってくるよ、サテラ。
サテラ
慈母のような優しい微笑みのまま涙を流し、そのまま宙へと溶けていく。
スバルの意識も段々と薄れていって____
スバル
……ん、…んう……?
いつもは目覚めがいいはずなのに、今日は若干気だるい。
悪夢でも視てしまっただろうか。

そんなことを考えていると、視界を埋め尽くすほどの人数がいた。
ベアトリス
スバルぅ!!
レム
スバル君っ!!
ガーフィール
たいしょおぉぉッ!!!
起きた瞬間、三つの人影が飛びついてきた。
まさかなと思いつつ顔を上げると…
エミリア
スバル!
オットー
ナツキさん…!
ユリウス
スバル…
ラム
あら、バルス。
スバル
うぉえ!?み、皆!?
…っちょ、ベア子レムガーフィール!!!痛い痛い痛い!!
皆が居た。
ベアトリス
すば、る…スバルっ…
レム
スバル君…っ…良かった…!本当に、良かった…
ガーフィール
大将ォッ…!たいしょぉぉぉ…ッ!!
スバル
え、えと…エミリアたん…
この困った状態に、エミリアへと助けを求める。
エミリア
スバル、皆はすごーく心配したのよ?
…私だって、スバルが無事に帰ってきてくれて良かったって思ってる。
だから、もう少しだけ、スバルと一緒に居させてあげてね。
スバル
くそぅ…
だーっ!お前ら、分かったから…!分かったから離れろって…
レム
スバル君は分かってない…!
どれだけレムが心配したか…どれ、だけ…みんなに心配をかけたか…
もっと自分を大切にしてください…
ベアトリス
レムの言う通りなのよ…!
契約精霊に心配をかけるなんて…スバルは契約者失格かしら…
ガーフィール
大将ォは『バグルムの逃避行』みたいッにもっと自分を勘定にいれてッくれやァ…!
何だか夢でも同じようなことを言われたような気がする。
思い出そうとしても、靄がかかったように上手く思い出せない。

頭を抱えていると、突然、頬を生暖かいものが濡らす。
何だ、これは…
エミリア
スバル…?どうして、『泣いて』いるの…?
もしかして、どこか痛いところがあった…っ!?
スバル
ぇ…?
俺…泣いて…?
ベアトリス
スバル?何かあったのよ…?
スバル
ど、うして…っ…?
俺、おれっ…!
泣くようなところでもないはずなのに、涙が止まらない。
むしろ、自覚してしまったから余計だ。
ユリウス
スバル…
オットー
んもぅ…突然どうしちゃったんですか…
スバル
お、俺だって分っかんねぇよぉ…!
急に悲しくなって…っ、
ロズワール
おやおぉーや、スバル君が珍しいこと…
悪い夢でも視たのか―ぁな?
ガーフィール
ロズワールゥ、大将ォを揶揄うんじゃねェ!
スバル
…ゆ、め…
きっと、この記憶に靄のかかっている部分がこうなってしまった原因なのだろう。
全く、困ったものだ。
…あ、やべ。夢の事考えるともっと泣きそう。
スバル
…っぐ、くっそ…うぇ…
何でおれがこんな目にぃっ……ひぅ…
レム
スバル君…
…でも、ここで折れるスバル君じゃありませんよね。
今から、みんなでお祝いをして、それから…スバル君の功績を称える式もあります。
主役スバル君が笑顔じゃないなんて、レムは嫌です…
だから、笑いましょう。
あっでもでも、今無理に笑えってわけじゃないですよ?
今は一度休んでから、また立ち上がればいいんです。
言いましたよね。諦めるのは簡単です。でも…スバル君には似合わない、って。
レムは、スバル君の勇気が出るようにいつでもスバル君の隣にいます。
一緒に、支えあいながら立ち上がりましょう。スバル君。
スバル
レム…
相変わらずすごいものだ。言葉だけでここまでスバルを奮い立たせることができるなんて。
スバル
…おう、一緒に頑張ろうな。
レム
ふふーん、レムはスバル君を慰めることができたので、褒めてくれてもいいですよ?
スバル
さんきゅ、レム。

おーよしよし可愛い可愛い!
ラム
エミリア様エミリア様、ラムのレムがバルスの気色悪い手で撫でられているわ。おぞましい。
スバル
なぁにがおぞましいだ姉様!
オットー
えっ、と…結局ナツキさんは大丈夫だったんですか…
心配して損した…
ガーフィール
まァまァ、そんなッこと言うんじゃねェよオットー兄ィ!
大将ォが笑顔になってよかったじゃねーか!
オットー
まあ、『終わり良ければすべて良し』ってやつですか…
ナツキさんったら…しょうがないですねぇ…
スバル
おーい聞こえてんぞー?

てか心配したって言った?…オットーにだけは言われたねぇわ…
あ、いやユリウスに言われる方がよっぽど嫌だわ良かったなオットー最下位じゃねぇぞ
オットー
最下位って何ですか!!地味に傷つきます!!
それに最後早口で捲し立てるのやめてもらっていいですか!?
ユリウス
…その評価は心外だな、スバル。
スバル
「心外だな」、じゃねぇよ!!お前逆にどう思ってんだよ!
ユリウス
む、私は君のことを…
スバル
あーあーあー良い良い!!言わんくて良いから!
ユリウス
はぁ…君という人は…
オットー
ひぇぇぇ…よく『最優』の騎士にそんなこと言えますね…
無駄に距離感近いんですよ…
ガーフィール
大将ォらしくていいッじゃねェか!
オットー
まあ…そういうことにしときます…。
スバル
うぉぉぉすげぇ…!!豪華な飯がこんなに…!!なあなあ、これ食っていいのか!?
ロズワール
君がこの『大征伐』の一番の貢献者だぁーし?
エミリア様の一の騎士、そして『最も新しい英雄』という身分だろぉーう?
遠慮なく食べて行ってくれて構わないよぉーお!
レム
はしゃいでいるスバル君…可愛いです…
エミリア
もう、すっかり調子乗って浮かれてるんだから…あ、これ美味しい…
ベアトリス
全く、こんなのではしゃぐなんてスバルもエミリアもお子様かしら。
ベティーはこんなものじゃ面白くもないのよ。
オットー
と言ってお茶菓子に手を伸ばしている大精霊様は誰なんでしょうかね~?
ベアトリス
んみゅっ!?ここここれは違うのよ!手が勝手に動いてるだけかしら!?
オットー
それはそれで怖いですよ…
ガーフィール
なァ、オットー兄ィ。
何ッで『魔女の瘴気』があるところでこんな豪華なモン食ってるんだァ?
汚染されちまうんだろォ?
オットー
あぁ、それのことでしたら…

先ほど、『嫉妬の魔女』が倒されたのは知ってますよね。
そして、『瘴気』を出しているのも『嫉妬の魔女』です。
でも、『嫉妬の魔女』はもういない。

…ここまでくれば分かりますよね。
ガーフィール
つまり、『嫉妬の魔女』が倒されッたのと同時に『瘴気』も無くなったってことかァ?
オットー
はい。そういうことです。
長くなるのでご飯シーンは省きます…
(ご飯はレムが作ったご馳走)
(番外編で書くかも…?いらないと思うけど)


というかここからが書きたかったとこです。ここまでに長すぎね?
スバル
____400年前。

世界最悪の『嫉妬の魔女』が世界を揺るがした。
そのことから400年…400年も忌避されてきた、『嫉妬の魔女』。

そして、今。
ここに…俺…ナツキ・スバルが…!

『嫉妬の魔女』を討ち取ったりぃぃっ!!!
ベアトリス
うわあああかっこいいのよスバル~っ!!
こっち向いてかしら~!!
レム
レムは…レムはこの時のために生まれてきたんですね…
エミリア
すごーくすごいわスバルーっ!!
ラム
ハッ!
ロズワール
私も素直に称賛するよぉーお。

…流石だね、スバル君。
ユリウス
ふ、『最も新しい英雄』…か。確かに、まさしくその通りだ。
オットー
『最も新しい英雄』…軽々しく呼ばないでほしいです…
ガーフィール
どうした?オットー兄ィ。
オットー
…いや、何でもありません。
スバル
うはは…エミリアたん達の笑顔が眩しかった…
オットー
へぇ…良かったじゃないですか。本望でしょ?
スバル
そらモチのロンに決まってんだろぉ?
オットー
はいはい。分かりましたよ。
ベアトリス
…むむぅ…ベティーを差し置いて仲良しなのよ…
ベティーにも構って…じゃなかった、ベティー、と一緒、に……
語尾に向かって言葉が細かく途切れ、ベアトリスの瞳が揺れる。
何事か、と聞こうとしたとき、ちょうどオットーが口を開いた。
オットー
なつき、さん…どうして、体が『透けて』るんですか…?
スバル
は…?
言ってることの意味が分からず、恐る恐る下半身へと目線を向ける。

すると、足が『透けていた。』この場合、文字通りに。
例えるならば、精霊が消える瞬間を超スーパースローモーションにしたような感じだろうか。

透けているところからは光の粒が空へととけていた。
ベアトリス
…だ、め……死なないで…死なない、で…死なないでっ…!
一生懸命治癒魔法をかけるベアトリス。


そして、今の騒ぎを聞きつけてきた他メンバーもスバルを見て、悲痛に顔を歪ませる。
ラムでさえ暗い顔をしていたくらいだ。
ユリウス
すば、る…?
…君は、一体…
エミリア
スバルっ!!
どうしてなの…?どうして…!
これから私は王様のお仕事をして…ルグニカを大きくするって…
スバルと『約束』したじゃない…!!これからも一緒だって…!!
スバル
おお、俺だって知らねぇよ…なんか、急に体が…。
ロズワール
……これは…
ベアトリス
…ロズ、ワール…
何か分かったなら今すぐにでも吐き出せかしら…
今、ベティーは手加減できないのよ…!
ロズワール
今から私が話すことはあくまで予想の域をすぎない。
それでも、いいかい?
ベアトリス
いいから、さっさと話すがいいかしら…!
ロズワール
スバル君のこの症状…これは盟約を破った時と同じなんだぁーよ。
エミリア
めい、やく…それって、スバルと誰かの間で結ばれた絶対なんでしょう…?
誰かって、一体…
そういって、エミリアがスバルの方を向く。
皆も不安の眼差しでエミリアに続く。
レム
…すばる、くん…話せることがあったら話してください…。
もし話したことの内容を成し遂げろと言われて、それが不可能であっても…
レムが…レムが命の限り尽くします…っ。
だから…教えてください…
スバル
レム……ごめん、ごめんな…
多分、話してどうこうなるもんじゃねぇんだよ…これは…。
オットー
ナツキさんは…何を…
ロズワール
そんなにスバル君を追い詰めない方がいぃーよ。
恐らく…これはスバル君ですら分からない。
そうだろう?スバル君。
ロズワールは何かを察した様子で、意味ありげな目線を送ってくる。

こういう時は頼りになるのだ。
スバル
…あぁ。そうだ。ロズワールの言う通りだよ。

…あーあー!勝手に結ばれた盟約かよ!こっちにゃ迷惑しかかかんねぇじゃねぇか!
ユリウス
…スバルの知らないところで、勝手に結ばれた盟約…?
そんなの、盟約ではないじゃないか…!
なのに…どうしてそんなに明るく振舞えるんだ、スバル…
スバル
おいおい、お前が辛気臭い顔すんなよ。
折角の奇麗な顔が台無しだぜ?
ユリウス
話をそらさないでくれないか、スバル。
スバル
…だぁー!もう!お前ってやつは…!!

…俺には何となく分かるんだよ。そろそろ限界だってこと。
ユリウス
なっ…
ベアトリス
…ぇ…?
消え入りそうなほど小さな声で無理解を示すベアトリス。

自分の大事なパートナーにこんな顔はさせたくなかったな、と自省する。



もうすでに、スバルの『消滅』は足から腰のあたりまでを蝕んでいる。
スバル
俺、きっとこのまま消えちまう。
でも、良かったな…。
『嫉妬の魔女』を倒せて、ルグニカの『英雄』だって言われて…
エミリアだって王様になれた。大団円じゃねぇか…!
エミリア
う、そ…じゃあ、スバルとは…もうすぐお別れって事…?
…そんなの、全然よくない…!よくないじゃない!
ガーフィール
何が大団円だよッ!!
大将ォが居なきゃ俺様…俺様ッ…!
これから、どうしていけってんだよ…!!
ラム
良かった…?
ふざけるのも大概になさい、バルス。
レムを泣かせて、挙句にエミリア様方たちを悲しませたままに消える?
無責任にもほどがあるわ。
スバル
俺だってそんな事したくねぇし…させたくなかったよ…!
ラム
なら…
スバル
俺、分かった…分かってたんだ……
_____分かっちまったんだよ…ッ!

もう、この世界ですることも…役目も…!全部、全部…やり切ったんだって…
ベアトリス
…まだ、終わってなんかないのよ…っ!
ベティーに、色褪せない素敵な思い出を、たくさん作るって!
勝手に終わらせるんじゃないかしら!!
スバル
…ベア子…
ユリウス
ベアトリス様の言う通りではないか?スバル___
スバル
じゃあ!!俺を助けてくれるってんのかよ!!!
ユリウス
それは…今から探せばきっと見つかるさ。
スバル
今からじゃ、おせぇんだよ…!

見つかるんだったら、俺はとっくにやってた!!やってたさ!
でも、見つからねぇんだよッ!!


…悪ぃ、八つ当たりだ…気にすんな。
ユリウス
…別に、大丈夫だ。
スバル
そうか…。
スバル
んじゃ、ユリウスから行きますかね…
スバル
お前はこれから色んな困難があるだろうけどよ、
まあ…お前なら乗り越えちまうんだろうな!ムカつくけど!

でも、どうしても乗り越えられねぇ壁ってもの世の中あるんだ。
そんときゃ、アナスタシアさんや…癪だけどエミリアも頼って進んでくれ。

…いいか?これは心配じゃなく忠告だ!分かったか!?
ユリウス
き、君は何を…
スバル
次、ロズワール!
…はぁ…お前は、俺が居ない未来でもしっかりエミリア達を支えてやれよ?
あの時みたいな暴挙は絶対やめろ。そしたら俺まじぶっ飛ばすから、覚えとけよ!

…エミリア達を、よろしくな。
ロズワール
あはぁーあ、任せたまぁーえ。

…君が居なくなっても、ね。
スバル
意味深なこと言うのヤメロ!
スバル
…つーぎーは…オットーにするか。
スバル
あーっと…
これからも武闘派内政官として頑張ってくれよ!お前はエミリア陣営の貴重な人材だし!

…くれぐれも、無理しないように、ロズワールに何か無いように目を光らせておいてくれよ。
俺の『ユージン』!頼んだぜ!
オットー
ナツキさん…
スバル
次…ガーフィール。

ガーフィール、お前は俺の最高の弟分で、エミリア陣営最強の盾だよ。
いや、そりゃあ世界で見れば弱っちいかもしれねぇが、まず間違いなく、お前は最強だ。
なんせ、『最も新しい英雄』に勝ってんだから!この俺『最も新しい英雄』が証明してやらぁ!

だから…俺に代わってエミリア達を守ってくれよ。これ、絶対『約束』な。
ガーフィール
大将ォ…ッ!
スバル
次は…ラム。

とりあえず……俺、今思い返すとお前にゃよく支えてもらってたわ。ありがとな。
そして、無責任にもほどがあるってんのは…俺も自覚してる。
……あー…自覚してるってことに免じて許してくれたりしねぇ…?

えーっと、これからは俺が抜ける代わりにちゃーんと働けよ?レム達にやらせんの、無しな!
…俺が言えたことじゃないけど…
ラム
ハッ、所詮バルスね。

…ラムは、それくらいで赦すぐらい甘くないわ。精々地獄で償いなさい。
スバル
俺って地獄行き確定なの…?
スバル
ヴッヴン…それじゃ、ずっと俺にくっついて離れないレムさん。

レム。お前は、俺をずっと信じて、愛して、好きでいてくれて…ありがとう。
相変わらず自分のことは好きになれそうにないけど、頑張ってみるからさ。
これからも、皆に美味しい料理を振舞って、周りの世話をしてやってくれ。

…俺は、大丈夫。だって、レムの『英雄』だからさ。
レム
スバル君ッ…レムは…!
スバル
…ベアトリス。

お前は、俺の最高で最強で、すっげぇ可愛くて、世界で一番の『パートナー』だったよ…!
お前が俺を『選んだ』日から、今日まで…永遠を生きるお前にとっちゃ短かっただろうけど…
俺は最高だったよ。
今までありがとう。俺の傍にいて、いつも手を繋いでいてくれて。

…俺はお前の、セピア色に色褪せない、鮮烈な契約者になれたかな…。
ベアトリス
スバル…!嫌、嫌ぁ…!
スバル
……エミリア。

きっと君は、これから素敵な王様になって、ルグニカを良くしてくれるんだって、俺は信じてる。
俺がいなくて寂しくなったら、俺のお手製ぬいぐるみを抱きしめてくれよ。
まあ、強くて可愛い俺の自慢のエミリアたんなら、大丈夫かな?

…今まで、君がいてくれたから、俺は頑張れた。
大丈夫だよ、エミリアたん。もし、辛くて膝を折りそうになっても、皆が絶対支えてくれる。
王様の仕事、頑張ってね。
その代わり、あんまり根を詰めすぎないで、エミリアのペースで進めていいからな。


…好きだよ。エミリア。
君のことは、一生忘れない。
エミリア
…す、ばる…?すば、る…ぇ…?待っ、て………待って…!行かないでよ…っ!

スバルの体は、もう顔の所まで消えかかっていた。

もう、限界だったのだ。
スバル
俺、だって…消えたくねぇよ…まだ、この世界で色んな事したかったよッ…!

どうして、俺ばっかり…!
今更弱音を吐く自分に嫌気が差す。
スバル
…おれ、は…
スバル
俺は…
スバル
ッ…お前らに出逢えたこと、俺は、ずっと良かったって思ってるよ。…良かったって、思えてるよ。
______だから…今まで、ありがとう。
涙を必死に堪えて、成る丈笑顔を努めて言葉を紡ぐ。
きっと泣き笑いになってるか、涙が溢れてしまったか…。

でも、これでいいのだ。
これが、この場の最善だから。


…これで、最初で最後最期だから。




自分の愛した奇麗な鈴の声色をした銀髪のハーフエルフも。
自分のことを傍でずっと支えてくれていたパートナーも。
自分に献身的にしてくれていた、優しくて厳しい水色の妹メイドも。
自分に厳しくしてきて、それでいて一番優しいピンク色の姉様メイドも。
自分の大事な『ユージン』で、縁の下の力持ちな緑色の内政官も。
自分を大将として慕っていてくれていた黄色い弟分も。
自分によく話しかけてくれるオレンジ色の見習いメイドも。
自分の先輩にあたる背の高い黄色の髪のメイドも。
自分を魔獣の酷い目に合わせたかつての敵の魔獣使いも。
自分の尊敬している格好よくて凄く妻を愛している剣鬼も。
自分を何度も殺そうとしてきた筆頭宮廷魔導士兼辺境伯も。
自分の嫌いな、だけど尊敬している気障ったらしい藤色の騎士も。
自分を助けてくれる、燃える赤髪の青空の瞳をした世界最強も。
自分をよくからかってくる王国随一の治癒術師である猫耳騎士も。
自分の愛する子の父親を自称する灰色の猫精霊も。


そして…ここまで自分を育ててくれた両親も…。


今まで様々な人に会って、様々な人と、皆と過ごす、遊ぶ、笑う、泣く…いろんな事があった日々も、
いろんな事がある日々も…
全てが、最後。
あぁ……段々、意識、が…薄れて、いって…











瞬間。この世界から、『ナツキ・スバル』が消滅した。
瞬間。この世界から、『ナツキ・スバル』が消滅した。


最も早く反応したのはベアトリスである。
ベアトリス
......ぁ…すば、……
エミリア
べあ、とりす?どうしたの…、ッ!まさか…!
ベアトリス
契約が…切れた、のよ…ッ…!!
スバル、スバル、スバル、スバル____!!!
嫌かしら、スバルが居なくなったらベティーは、ベティーはどうすれば…!!!
エミリア
契、約が……スバルは、この世界から本当に…っ!
嫌…スバルが居なくなるなんて…!
私は信じないんだからぁっ…!
レム
スバル、君…レムは、れむはっ…!
どうして…スバル君はレムが守るって言った…言いました、から…
でも、守れなくって…!
レムは、スバル君、の介添え人…失格、ですよね…
ラム
…馬鹿バルス…
ガーフィール
オットー兄ィぃぃぃ!!たいしょ、大将ォがぁぁあっ!!
オットー
ガーフィール…

ナツキさん…どうして…!どうして…なんですか…
……お願い、ですから…何時もみたいに…答えてくださいよぉっ…!
ロズワール
君が失われる…それが、こんなに惜しいなんてね。スバル君。
ユリウス
君、は…、私を残して…私たちを残して…そんな、あんまりすぎるだろう…?
君には、まだ私たちの傍で笑っていて欲しかった…

…私は、君とずっと友でいたかったよ、スバル…ッ…

もう、
『私の騎士様』も、
『生涯のパートナー』も、
『自分の英雄』も、
『馬鹿な弟分』も、
『憧れの大将』も、
『大切なユージン』も…


この世に、いない。




スバルが返事をしてくれない。
その事実だけが、心を引き裂いていく。
ベアトリス
あ、ふ……えぅっ…
こういう時。
どれほどスバルに救われていたか、ようやく痛感した。…でも、遅すぎた。
エミリア
ごめんなさい、スバルっ…
貴方を、救うことができなくて…っ…!
こんな時でも、優しいスバルなら、きっと赦してくれる。

きっと、スバルなら…。



でも…
オットー
ええ、甘っちょろいナツキさんならきっと赦してくれるんでしょう…?
けど…そんな事…僕達が赦さないッ…!
彼らエミリア陣営の方々がどれだけ悲しいか、きっとユリウスには想像出来やしないだろう。
出来たとしても、そんな薄っぺらいものではないのも分かっている。

…たった一つだけ、分かるのならば…。
ユリウス
これはきっと…この場の誰も…スバルさえも悪くないのだろうね……。

『嫉妬の魔女』…スバルとの一方的な盟約を結び、挙句悲しませた…
その罪は、万死に値するだろう。

…つくづく、良いことがないな。
こんな事。スバル大将なら乗り越えられると思っていた。

…でも、無理だった。
勿論、決してスバル大将に対して失望してなどいない。

全ては、スバル大将がこうなった元凶の『嫉妬の魔女』が悪かったのだ。

ガーフィールだって、モノの善悪くらいつく。
だからこそ…
ガーフィール
『嫉妬の魔女』が倒されたと思ったら…ッ、大将ォも居なくなるッとか…!
あんまりすぎッじゃねェかよォ…!!!
レムの『英雄』が、消えた。


最初は、幻ではないかとどれ程願ったことか。
自分の目に映る全てを、否定した。

だって、これは、余りにも_____
レム
余り、にも…スバル君、がっ…報われないッ…!

姉、様ぁ…姉様…っ!スバル君、スバルくっ、あぁっ…!!
忌々しき『嫉妬の魔女』は倒された。
でも、どうだ。

代わりに、『英雄』『ナツキ・スバル』が消滅した。



『英雄』は、皆を残して逝くのか。
『英雄』、は…

『英雄』のすることは…?
ラム
レムを泣かせるのが、『英雄』のすることなの…?
…アナタなんて、地獄で焼かれて燃え尽きてしまえばいいのよ、バルス…ッ!
皆がひとしきり悔やみ、泣き、後悔した後…
無論、『悔やむ』と言っても、悔やんでも悔やみきれないままだが。


そんな中、立ち上がった影が、一つ。


エミリアだった。
エミリア
…みんな、こんな所でへこたれていられないわ。
……早く、王城へ行かなくちゃ。
ベアトリス
どう、して…
エミリア
ベアトリス?
ベアトリス
どうっ、して…エミリアは、そんなに冷静でいられるのよ…
スバルが、スバルが居なくなっちゃったのに…!!
エミリア
…私だって、スバルが居なくなっちゃったの、まだ受け止め切れてるなんて言えないわ。今も、泣きそうだもの…

でも、スバルならきっとこう言う。
『俺がいなくても、エミリアたん達なら大丈夫だって、信じてる。』って。
だから、私はスバルの期待に応える。応えたい。
____ただ、それだけよ。

本当は、そんなこと言わないかもしれない。
けど…こうやって、私がスバルを『信じる』ことで、スバルが安心してくれたらいいな、っていう私の我が儘。
押しつけがましいのも分かってる。
…だけど、ベアトリス。ベアトリスだって、この数年間、成長してきたでしょう?
今、それを見せつけるべきだって思わない?
スバルに、『スバルが居なくても、私達は大丈夫だから、安心してね』って。
私達と一緒に立ち上がって、支えあって…。
そうやって、お互いに寄りかかって進んでいきましょう。
スバルを安心させるために。
ベアトリスも、スバルを不安にさせたくないもんね。
ベアトリス
エミリア……ごめんかしら…取り乱してしまっていたのよ…

スバルには、ベティーが一番近くにいたのに、そんなことにも気づかなかった…
…そうかしら、スバルは心配性だから、ベティー達が堂々として安心させてやるのよ!

…そして、またいつか、同じ場所で、同じように…皆揃って、また、会うのかしら…。
エミリア
そうね。またいつか会える日まで、スバルとはお別れ。
でも、次会ったら、私たちの成長している姿を見て、びっくりさせちゃうんだから!
『約束』、ね。
ベアトリス
分かってるのよ。
『約束』、かしら。
レム
…先程の醜態、大変申し訳御座いませんでした。
王であるあなた様の前で、あのような…っ!
…今一度、己の弱さを痛感しました。
以後気を付けますので、どうか、お許しを…
エミリア
別にいいわ、レム。
____誰だって、大事で、大切な人が居なくなったら悲しいもの。
悲しむことは醜態なんかじゃないし、身分も関係ない。
スバルが居なくなったことに対して悲しむ権利は、レムにだってあるわ。

レムは、スバルを愛していたもんね。
女神のような眼差しを向け、レムに返事をするエミリア。

そんなエミリアに、感極まって思わず涙ぐんだレム。
レム
…はいっ…!
ありがとう、御座います、エミリア様…!
そういって、花開くように微笑んだ。
スバルが消えてしまってからは、それはそれは大変だった。
なんせ、ルグニカという国の看板と言っても過言ではない、『最も新しい英雄』『ナツキ・スバル』が突然消えたのだから。


エミリア達はこの後どうしたのか。
それは、また今度。


閑話休題。




スバルが消えた後、果たして『大瀑布』の向こう側『スバルの故郷』へ行けたのかは、スバルしかわからない。
エミリア達は、ただただ、スバルにはずっと幸せに暮らしてほしいと、そう願っている。

































結局、最後最期までスバルは仲間と一緒にいれなかった。
これから待ち受ける『イセカイセイカツ』も碌に満喫できなかった。



唯一、そんなスバルが救われたのは。
『死に戻り』『魔女の寵愛』から逃れられたことだろうか。











しかし。
本当に、スバルは『死に戻り』という死の螺旋から外れ、救われたのか?
きっとスバルでさえも分からないだろう。









これは、ゼロから始めた青年が、『英雄幻想』を背負い、世界の『英雄』となって、最後まで運命に抗った物語。
______ただ、それだけの物語。
























『イクエモアラガウ イセカイセイカツ』
















𝕗𝕀𝕟.

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