《 mmntmr side 》
~エルシス学園、高等部校庭にて~
余りにも眩しい太陽が私を照り付ける。休み時間の喧騒が、全方位から聞こえていた。
そう言いながら、みぞれはぐっと伸びをする。
次の魔法学科が校庭での授業と言う事で、私達は外に出ていた。体操服では無く、制服のまま外で授業を受けるのは余り無い事であろう。二、三時間目の中休みなので、外では沢山の生徒が遊んでいる。勿論同じクラスの生徒もちらほら見かけ、レイラーも例外では無かった。
大声が聞こえた所を見ると、やはり其処にはレイラーがいた。手を振っていたので、小さく手を振り返す。
レイラーは別れ際「どうせ直ぐに見つけられるし平気平気!!!」等と言っており、物の見事にフラグを回収した。少しどころかとても笑える。
私にぐいぐい近付きながら喚いており、哀れみながら(自業自得なのは目を瞑って)後退り。距離を詰めてくるので、私達の元居た座標からズレていく。
この様に変な茶番をしながら周囲を観察する。そして、見つけた先に居たのは。
こそこそと何かをしている。ちらっと見えたのは、禁忌魔法でしか使わない素材。どう取り締まろうかと思っていたその時、私にみぞれと話していたレイラーが私の違和感に気付いた。
出会ったばかりであると言うのに、人の違和感に気付いた。流石、と言いたい所だ。
レイラーが私に話を振ったので、自動的にみぞれも私の方を向いた。まぁ、風紀委員会なら教えても良いだろう。後に私が所属する場所なのだから。
焦ったみぞれは、横髪で見えなかった耳に手を当て連絡している。恐らくインカムだろう。
みぞれは腰に携帯しているメガホンを手に取り、もう片手にはポケットマギを持っている。そして、怒声を含みながら精一杯叫んだ。それに気付いた生徒は、焦って逃げ出そうとしている。
みぞれは追いかける為魔法陣を展開し、この場を離れた。
驚かれるのは仕方ない。まさか転校生が風紀委員会に入る、なんて予測不能な事だ。
まずはみぞれに追いつく為に駆け出す。速く走るコツを掴めていれば、割と直ぐに並走出来る。
正式に召喚魔法を使うには多少の時間を要する。しかし、『魔力に変換できる物』を使えば短縮が出来るのだ。そもそも召喚魔法を早める為にはそこそこの魔力が必要。だからその短縮を可能とする為に、魔力補給が容易く出来るポケットマギを使用する。
『風紀委員』と書かれた腕章を付けた生徒が複数集まっている。如何やら風紀委員が到着した様だった。
これで準備は完璧。しかし、今日はストレスでも発散したい気分だ。中級位の魔法でもぶっ放そう。
渡されたメガホンを口に近付け、冷静な声で対応する。
少し笑いを含めてしまったが、気にしない。
メガホンを手渡し、微笑む。任されました、と答える様にスピードを上げる。こっちはずっと戦闘訓練を行って来たんだ、足の速さだけで巻かれてたまるか。
だっ、と一気に間合いを詰める。振り返った顔は驚いている事を示していた。
『Necromancer』を改めて握りしめ、技名を喉から解き放つ。
闇属性の中級魔法『ドゥンケルハイト・オスクリタ』。その言葉を放つと共に、目の前に私の影が伸びる。魔法陣が強く光っているのだ。直視したら目を焼きそうな、そんな光。
相手は本能的に低度の防御魔法を張っていた様に見えたが、そんな軽い魔法では中級魔法相殺出来る筈が無かった。黒紫色の斬撃は、男子生徒へ大きな音と共に直撃する。周囲には砂塵が舞い上がり、瞬く間に視界を奪わんとした。
と、話しかけようとした所で、背後から迫る気配の対応を行う。この気配は、十中八九レイラーである事が容易に推測出来た。
周囲を見渡すと、動きの流れが少し変わっていた。教室で見たことある生徒は一定の方向へ、その他の生徒は校舎へと動いている。
レイラーが走り出したのを皮切りに、みぞれも走り出す。
思いっきり地面を蹴って前へ前へと進む。あっと言う間にみぞれを追い抜き、レイラーと並走した。
結果は言わずもがな。予想より結構楽しかった気がした。そして、クラスの元へと向かうのだった。
姓は虹枷、名はがらすと申します。
一人称視点で書く戦闘描写は疲れます
何せTRPGの戦闘描写と視点が違いますね...()
なんと、現在3500文字を突破しています。
平均1600文字は何処へ...と感じました(今更)。
本来は三時間目を描写予定でしたが、
『流石に何か無いとつまらない』
と感じ急遽変更しました。
『ドゥンケルハイト・オスクリタ』は、
単純に『闇(ドイツ語)・闇(イタリア語)』です。
語りすぎましたね、ではまた!

2025/10/03 17:32
追記:書き忘れていました。閲覧1000以上、♡50、☆20、誠に有難う御座います!!!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!