女子寮では夕食を前にした女子生徒達が、
あちらこちらで楽しそうに談笑している
そんな少女達と目を合わせぬように下を向いたまま、
最上階に向かった
こうやって人目を避けて隅をコソコソと歩くのは、
学園だろうが街の中だろうが、どこにいても変わらない
今も、昔も。
いつだって、人の集まる場所に溶け込めない異分子だ
やがて最上階の物置部屋にたどり着いた
奥にある梯子を上り、屋根裏部屋の蓋を押し上げた
のろのろと歩いている内にすっかり日は暮れていたらしい
屋根裏部屋は手元がよく見えない程に暗かった
燭台の蝋燭に無詠唱魔術で火を点ける
この無詠唱魔術を人々は
「奇跡だ」
と称賛するが、自分的には無詠唱魔術を行使するより
普通の学園生活を送る方が遥かに難しい
サラ・コレット嬢に結んでもらったリボンを外し机に置く
それと、ポケットに入れっぱなしにしていた木の実も
ハンカチを広げて、その上に置いた。
___コツコツ。
窓をノックする音が聞こえる。
目を向ければ、体に影が落ち夜に紛れている
猫のシルエットがうっすらと見えた
窓の鍵を回すと、クズハは器用に前足で窓を開ける
とっくにしっている情報だった
だが、クズハの情報収集の努力を無下にするのも
気が引けて、無言でクズハの言葉に耳を傾ける
第二王子と私は学年が違うから、
普通に接近するのは難しいだろう
同じ生徒会役員なら、自然と接近できる…………が
生徒会役員になるためには、成績優秀であることが絶対条件
その上で生徒会役員とのコネなども必要とされる。
ベッドに突っ伏して泣き言を言うと、
クズハの赤色の目がこちらを見る
その言葉に無言で首を横に振り、教科書をベッドに並べた
そこまで言い、少し言葉を詰まらせる
あまり人言えた話ではないが覚悟を決め続きを語る
指を交差させ、どこか虫の居所が悪そうに
先程より早口で言葉を紡いだ
魔術に関することは暗記できるが
五爵の序列が出てこないほど記憶力が偏っている
当然どちらも貴族の子に求められている知識ではない
なんだったら、大抵の人間には一生無縁のものである
私はクズハを胸に抱いて、項垂れた
あなたの下の名前(カタカナ)ちゃんのクズハの呼び方変更しました!
クズ呼びは流石に良くないなと思いまして………
あと、白猫って前描いたような
描いてないような気がしたんですけど黒猫で!
葛葉は白猫というより黒猫やろ!
くろのわやし!!って感じで変更でーす













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。