お父様の衝撃的な発言に思わず
眉間にしわを寄せる。
私は護衛を雇いたいだなんて一言も
言ってないし一言も相談なかった。
本当にこの人は報連相がなってない。
大きくため息をつくと横に並んでいる
8人の護衛とやらに視線を向ける。
すごいニコニコしている。
個性豊かそうで何よりです……。
この親バカ、どうしてやろうか。
護衛を雇うのは百歩譲っていいとして、
8人も普通は雇う?
私の意見も聞いた上で考えて欲しかった。
お父様ってこーいうとこありすぎて
頭が痛くなる。
せっかく雇ったのにもう解雇にする
のは心苦しいものがある。
それに私も流石にそこまで鬼ではない。
仕方ないから彼らを歓迎することにしよう。
反省してないな。
娘にありがとうって言われて喜んでる。
この大バカ親が。
いけないいけない、怒りを抑えろ。
部屋から出ようと扉に手を伸ばすと
横から手が伸びてきた。
慌てて手を引っこめ視線を横に向けると
紫の髪色に水色のメッシュが入った
長髪イケメンが立っていた。
その人は優しく微笑むと「どうぞ」と
言って扉を開けてくれた。
よく見れば8人とも顔が良い。
こんな調子がずっと続けば私の心臓は
いつか爆発してしまうだろう。
あまり目を合わせないようにしなくては。
少し早足で廊下を歩くと後ろから
足音が聞こえてくる。
着いてきてる、ちょっと大人数すぎて
怖いから後ろを振り向けない。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!