砂が、熱が、光が、
全部が痛かった。
全てが刺してきた。
乾いた風が
鋭利な刃のように
喉の奥を刺激してきて、
反射的に咳き込んだ。
咳が止まらなくて、
膝から崩れ落ちる。
しっとりと汗ばんだ手に
砂が張りつく。
立ち上がれない。
体が言うことを聞かない。
空が青かった。
空はいつも青かったけれど、
いつもの空を青いと言うなら
この空は、青すぎた。
美術の授業で習った。
「空は青1色じゃありません。いろんな青で塗りましょう。」
ここの空は青1色だった。
べたべたと絵の具を塗り広げただけの青。
太陽が真上から容赦なく降り注いでいる。
見慣れない異物を照らし出すように。
そのまま焼き切ろうとしているかのように。
肌が、じりじりと焼かれていく。
白く柔らかな皮膚が、
律儀にその熱を全て吸収して、
みるみるうちに上気していく。
呼吸ができない。
乾燥した熱い空気が喉を焼き、
砂粒が肺に入り込んでくる。
もともと脆い気道はすぐに悲鳴をあげた。
ひゅー、ひゅー、と喘鳴が漏れ始める。
でも、ここには吸入器なんて無かった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。