第20話

秘密
44
2021/04/01 14:00 更新
俺はあいつが好きだ
まだ、好きなんだ


忘れようとしてた



『触らないで』
『声聞きたくない』
『顔みたくない』




『大嫌い』






叶うはずがないんだ
そう、思ってた





大きな満月が太陽のように輝くあの日。
あいつは現れた
あいつは俺の知るユイじゃない
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レイ
(…ユイ)
部屋の前を通りかかった時だった
『ガシャン!』
大きな音がして、
少しだけ開いていた扉を、

とっさに覗き込んでしまった。
お手伝いさん
『私もそうだった』
全て、あの日聞いていたんだ俺は
信じてなどいなかった。


タイムスリップ?

馬鹿げたことを


とうとう乱心したのか







…そんなふうに思っていた
ゆい
『お母さん…私帰りたいよ』
あの時俺に泣きながら嘆くように叫んだ言葉
10年会わなかった弟との再開



俺は確信したんだ。

きっと、あいつは別の誰かで、
ユイの体に入り込んでるって。






腹が立った。
ユイの身体を返せって。
でも





『喋りかけないでくれる』
『出てって』
でも




『私あなたの事知りたい』
『あはははっ、何それ』
明るく笑う君に、
誰だか分からないけど
俺、好きになったかもしれない

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