午前9時。
ぴったりに出勤し、荷物をロッカーへ入れる。
今日は射撃訓練だ。
トレーニングウェアに着替えるため、
女性隊員用の更衣室に向かう。
今日は射撃訓練場の更衣室を使おう。
射撃訓練場は別棟なので、
外から行かなければならない。
……何か居るな。
今回は余計な事はしないでおくか。
曲がり角を曲がると同時に、
強く突き飛ばされ、外壁にぶつかる。
そう言って、何かの液体を頭から被せられた。
……水ではないな。
この感触と匂いからして…
なんて面倒くさいものをかけるんだ。
ベタつくし水は弾くだろうし
何より今火が近くにあれば私は____
視線を上げたとき、
目の前の女が火のついたマッチ棒を
手に持っているのが目に映った。
その言葉と共に放り投げられた火。
はたき落とすか?
いや、油は地面にも染み込んでる。
この施設を火事にしてはいけない。
受けなきゃだめか?
上着がないからすぐには消化出来ない。
水場は?
約200m先だ、移動は不可能。
あれ、これ無理じゃ
足元に落とされた火種は
瞬く間に油を経由して、
私の身体はすぐ炎に包まれた。
少し離れた地面に即座に飛び込み、
身体を擦りつけるようにのたうち回る。
恥がどうとか気にしてられない。
消えない、痛い、熱い。
やっぱり殴ってでも抵抗しとけばよかった。
逃げた、逃げやがったあいつら。
熱で潰れた声しか出ない、不味いなこれ。
だんだんと自分の動きが鈍くなるのを感じた。
あぁ、もう終わりだな。
そう覚悟してしまった。
突然、遠くの方から大きな足音が
凄いスピードで近づいてくるのが聞こえた。
こちらに来たと思えば、
地面の上を転がる私の上に上着が投げられ、
火を消すように包み込まれた。
隊長。
何かいつも助けてもらってるなぁ、
申し訳ない。
服の上から水をかけられた。
ジュウ…っと音を立てて肌が冷やされるのを
感じる。
そう言った隊長は、
私を上着で軽く包み、横抱きにして持ち上げた。
いつの間にか火は消えていたらしい。
そう言われ、
お礼と謝罪を言いたい気持ちを抑え口を閉じる。
大人しく、自身を抱える両腕に身を委ねた。
すぐこういう夢主危機イベント起こします。
夢小説あるあるですよねきっと🤗












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!