うう、罪悪感…
ごめんね…嘘ついちゃって…
ガラガラガラ
鳴り響いた扉の開閉音。
音のした方を見れば岩本くんと渡辺くんが立っていた。
さっきまでの静寂はどこへやら。
保健室は一気に笑い声に包まれた。
突然叫び声をあげたラウールくん。
岩本くんに言われてちょっと不服そうなラウールくん。
なんだかお父さんに怒られてる子供みたいだな、なんて思った。
明らかに嫌そうな顔をしながらも優しい声音を聞く限り、本気で嫌なわけでは無さそうだ。
岩本くんに揶揄られてちょっと照れてるし。
あぁ言うのをツンデレ、とでも言うのだろうか。
何かを言いかけた岩本くん。
でも途中で口をつぐんでしまって。
聞き出すことも満足な返事もしてあげられないまま、先に行った渡辺くんを追いかけるように岩本くんは足早にその場を立ち去った。
…彼は今、何を言おうとしたのだろうか…。
そんなことを考えていたらポツリ、と小さなつぶやき声が聞こえた。
上半身だけを起こしたまま、ベットの上からグラウンドを眺めるラウールくん。
ラウールくんの口から出てきた謎理論。
おれが言うなら間違いないってなんだって思ったけど、少し元気になってくれたみたいで良かった。
ところで…
未だに姿が見えない彼はどこに行ったのだろうか。
♡、💬よろしくお願いします(*´˘`*)♡
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!