○○○○年、状況は悪化していた。
土地争いの末、国は南北に分かれ、
今も静かに戦争が続いたまま、
毎日何千人もの人々が亡くなっている。
私達3人は、E国の特殊部隊として組まされた。
ウォニョンは訓練所での成績1位。
ジウォンは成績2位と、男顔負けの実力を持っている。
が、しかし、ヒョンソはまだ最終試験に受かっておらず
訓練中の身であり、そんなヒョンソを
ウォニョンとジウォンは酷く心配していた。
ウォニョンは新しくできた国境を超えて、I国へ侵入した。
ジウォンも深呼吸をして、I国に向かって1歩を踏み出す。
ヒョンソはジウォンの腕をぎゅっと掴み、
ジウォンの行く手を止めた。
ヒョンソは"戦争"という絶望の最中、目を輝かせた。
去っていくジウォンの背中を見て、強く無事を祈った。
ヒョンソも1歩を踏み出し、
この戦争の終わりへのピースを1つ埋めた。
ジウォンが辿り着いたのはネオン街が続くC地区。
しかし、戦争中であるからか、人の気配が全くしない。
私達の目的は第一に、I国の特殊部隊を倒すこと。
それなのにこんなに人の気配がしないんじゃ、見つけようがない。
戦いが起きてる雰囲気もないし……
周りを見回しながら歩いていると、
お店の前で私を迎え入れるように立っている女の子を見つけた。
女の子はぐいと顔を寄せて、私の顔を覗き込む。
その可愛い顔に、つい惹き込まれそうになってしまう。
私の右手を両手で強く握った。
女の子のつぶらな瞳に耐えられなくなり、
私はその店に入ることにした。
入ると、普通のバーのようで
人の気配もなく、店の明かりが私の気持ちを落ち着かせた。
おかしい。
この地区もしっかり戦場と化していたはず。
来てみればこんな平和な街だなんて。
女の子は、ジュースのような見た目のお酒を差し出した。
まずい。
戦時中はコードネームを使えと言われていたんだった。
慣れない戦場でつい本名を使ってしまった。
「レイ」と名乗る女の子はニコッと笑った。
その笑顔に少しだけ心臓がドキッと跳ねてしまった。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!