第11話

あなた想い-白布賢二郎-
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2020/12/24 09:04
今日、私に会えなくても…

貴方は普通の日常を送れている。




今日、貴方に会えない私。

何してて誰といてどこにいるか知りたくて。



こう思うようになったのはいつ頃だったんだろう。

気づいたら貴方のことを追っていた。

白鳥沢学園に入学したとき、初めて話しかけてくれたのが貴方。

初めて私のことを気にかけてくれたのが貴方。

きっと片想いは楽しいより辛いが多い。

この気持ち、伝えたいけど。




怖い。怖くて仕方がない。

心の中は矛盾ばっかり。
わかってるよそんなこと。

でも、貴方を想う気持ちは誰にも負けないから。





ーーーーーー

『あ、おはようあなた』

「っ!あ、おはよう…」

なんて呼んでいいかもわからずに出会ったあの日からもう半年経った。
この心の中の葛藤を繰り返す度、やっぱり私は貴方に惹かれてるんだって自覚する。



ーーーーーー

また別の日の朝、校内で貴方を見かけて嬉しくて嬉しくて1人で舞い上がってた。

貴方の隣に笑顔の理由があったなんて気づくまでは。




『あなた、今日一緒に帰ろうよ』

なんて誘われた。
あのことなんて忘れて少し期待してしまう。




「…いつから?知らなかったよ。言ってくれればよかったのに。」

震えてた私の声。

『どうしたの?何かあったの?』

貴方は誰にでも優しいのかな。

私だけじゃないのかな。




理由なんて言えないよ、それが

片想い。
傷ついても、たった1人で飲み込むだけ。


勝手に始まって終わる。

貴方にこの気持ちは届かないまま。
知られないまま。



「…どうして心配してくれるの。」

『え?』

「どうして一緒に帰ろって誘ってくれるの。」

『それは…』

「彼女、いるんでしょ。」

『…え?』

「女バレの子…」

『…ハァ、違うよ。』

「へぇ?」

『あの子は僕のいとこ、彼女なんかじゃない。それに僕にはさ、』

「…」

『今隣に好きな人、いるし』

「…っ!!!」

『…好きです。あの日からずっと。』

「…わ、私も、好きです!」

『僕の彼女になってくれる?』

「もちろん!」

『そろそろ名前呼んでよ』

「…え、あ、け、、賢二郎っ!」

『あぁー!好き!絶対離さないから。』

この日までずっと、心の中貴方ばかり。

大好きだったの。ずっとずっと。

ずっとずっとこんな日を夢見てた。

私にとって最高の日。



あなた想いが変わった日。


あなた想いが両想いに変わった大切な日。

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