第7話

7.何年ぶりかしら
38
2026/04/01 08:18 更新
白の髪型は比較的シンプルなものになった。
普段1つに括っている髪をお団子のように纏め、そこに柔月の紋が入の簪を刺した。貴園に近い髪型になった。
「ちょっと柔月様。私、白より年上なんですけど。」
「白は少し幼い顔立ちをしているでしょう?大人っぽく見せたいのよね。」
「はい、実年齢より下に見られることが多いので。」
実際、白はその名の通り肌が白く、顔も鼻も口も小さい。そのくせ目が大きいので、実年齢より下に見られるのだ。柔月も最初に会ったときは、10歳くらいの少女に見えた。
 
「さぁ、玉葉のところへ行きましょうか」
いい時間になったので、柔月はそう声をかけた。
彩虹と白は立ち上がり、柔月の後に彩虹、彩虹の後に白と並び、瑪瑙宮を出た。
绿は不満気な顔をしていたが、これも時間の問題。永遠にいっしょにいられることはないのだから、少しずつ慣れてもらわねば困ってしまう。
「あら柔月、いらっしゃい。本当に久しぶりね。何年ぶりかしら?」
嬉しそうに弾んだ声の主は玉葉。主上の皇后となり、身分は変わったものの、その天真爛漫な性格と穏やかな声と顔は変わっていないようだ。
「3年ぶりよ。もうずっと会えていなかったものね。
その間に侍女が増えたのよ。紹介するわ。」
そう言って隣に白を見せると、玉葉は驚いたような顔をした。
「あら、ずいぶんと幼い子なのね。これは里樹元妃よりも若くないかしら。」
「ふふっ、そう言うと思ったわ。実はこの子、もう16なのよ。かなり幼い顔立ちをしているでしょう?」
そのかわいい顔を自慢するように、少し誇らしげな顔をして言った。玉葉はかわいくて器量の良い子が大好きなのだ。取られないか少し心配ではあったものの、そうなったとしても白はこっちを選んでくれると信じてそのままにしておいた。
「红娘も、変わっていないようね。」
「ふふっ、红娘はうちの子だから、手を出したら容赦はしないわよ?」
 
そうして半刻ほど他愛のない話をしていた。
話に区切りがついた頃、玉葉が突然真剣な表情で言った。
「彩虹、白、红娘、少し部屋を出てくれる?2人きりで話がしたいの。少し他の侍女たちと遊んでいてちょうだい?」
彩虹の表情が少し曇った。警戒の目だ。
「玉葉は毒を盛ったりはしないわ。大丈夫よ。」
なんとか宥め、外に出てもらった。やはり彩虹は賢い。主人の守り方をわかっている。後でもう1本簪を下賜しようと決めた。
 
「それは一体、誰から聞いたの?」
「貴女が同性愛者だということは知っていたわ。昔、教えてくれたでしょう。
まさか本当に手を出すとは、思ってもいなかったわ。特に、猫猫と月の君まで利用するとはね。」
その口調は、どこか責めるようで、どこか寂しそうで、「裏切られた」とでも言いたげだった。
もし中級妃のままであったら、諦めていたと思う。しかし、状況が変わったのだ。主上も、柔月が同性愛者だということは知っている。後宮に入内し、初めての訪問があったときに全てを話したのだ。「利用」だなんて人聞きが悪い。これは主上が与えた好機チャンスなのだ。
「ひどい言い方じゃない。別に利用したわけじゃないのよ?猫猫が自ら、力を貸すと言ってくれたの。」
「まぁ、あの子が?医官見習いになってから、ずいぶんと性格が変わったのね。自分の利益にならないことはしない子だったのに。」
以前、もともとは下女だったと聞いた。環境が変われば性格も変わる、というのは本当のようだ。
「そう。それで、あの話を誰から聞いたの?そもそも、同じことについて話しているかわからないわ。」
「そう。私は主上から聞いたわ。月の君が話されたと言っていたわね。」

プリ小説オーディオドラマ