第40話

佐久間大介の過去
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2026/03/25 03:40 更新
大介said


俺の家は裕福な家だった。
父さんは会社をやっててさ、それなりに大きい会社だった。

社長の息子だから、「坊っちゃん」って呼ばれてて。
会社の偉い人とかに、結構甘やかされてた記憶がある。

社長って仕事だから、友達も偉い人の子供ってことが多いわけで。
その一人が、大我だった。

大我とは、大親友って言えるほど、仲が良かった。

毎週、絶対一日は会って遊んでた。
俺のでっかい家の庭で、鬼ごっことかピクニックとかしてさ。

俺の両親も、大我の両親も、俺たちが兄弟のように思っていた。
大介
大我ー、こっちこっち!
大我
ちょっと待ってよー!
大介
遅いよー!
お父さん
二人とも転ぶなよー?
二人
はーい!
飽きなかった。
ずっと二人で、おんなじ場所で、おんなじ遊びをしているというのに。

それは、大我も両親もおんなじだったんだと思う。
ずっと続くと思ってた。


でも、違った。
事件が起こったのは、俺が小学四年生の年。
冬の深夜のことだった。

その日も、家族はいつもと同じように一日を過ごしてた。
虫の知らせなんて言葉がないくらい、普通の日々だった。

いつものようにご飯を食べて、いつものようにベッドに潜った。
大介
寒いなぁ…
外は大寒波が来ていて、めずらしく雪が降っていた。

静かな外。物音一つしない家。
眠りにつくのはすぐだった。

そんな俺の睡眠を害したのは、ドアが開く音だった。

キィー、ガチャッ
大介
…っ!?
『お、おいっ!静かにしろって!バレるだろうが!』
『わーってるよ!お前こそ静かにしろ、バカ!』

下から小さい声でそう話すのが聞こえた。
全く聞いたことのない声だった。

そんな二人は、容赦なく二階へと踏み入ってきた。
ダン、ダン、ダン…と階段を登る音が聞こえてくる。

必死に息を殺して、気づかれないようにした。

二人は、俺の部屋の前を過ぎ、寝室へと向かって行った。
両親が、寝ている部屋だった。

両親は起きているのだろうか。まだ、気づいていないのだろうか。
隣からは、何も聞こえなかった。

ガラガラッ!と大きな音がして、隣の部屋が開いた。
お父さん
なんだ、お前たちは!?
父さんの大きな怒鳴り声が聞こえる。
両親は、今気づいたようだった。

母さんの悲鳴も聞こえた。
でも、その声はすぐに消えた。

怖くてこわくて、俺は小さい体を生かして、小さい隙間に入り込んだ。
そのおかげか、俺は見つからなかった。

『よし、撤収だ』

そんな声が聞こえて、しばらくすると、車が走る音が聞こえた。

震える体を隠して、部屋のドアを開けた。
隣には、開けっぱなしになっている部屋が。
大介
と、父さん…?母さん…?
動かない体。赤く染まったベッド。
信じたくなかった。

信じられなかった。
大介
うわあぁぁー!!!!
次の瞬間、俺は叫んだ。

必死に二人の体を揺さぶった。
でも、何も言ってくれなかった。

涙が、止まらなかった。

俺があまりに大きな声を出しすぎたせいか、近所の人が訪ねてきた。
事情を言えない俺に、家の様子を見て、警察と救急車を呼んでくれた。

近所の人は、泣きじゃくる俺を、必死に慰めてくれた。
泣き疲れたのか、俺はしばらくして寝てしまった。
目が覚めると、そこは親戚の家だった。
警察の人が、親戚に連絡してくれたらしい。

後から聞いた話によると、あの二人の男たちは、金目当ての強盗だったらしい。
金庫は寝室にあったため、出くわした父さんたちを…。

しばらくして、俺は親戚の家に住むことになり、そのまま引っ越した。
大我とも、お別れになってしまった。

ショックのせいで、うまく話すことができなくて。
何も言えずにいなくなった。

それと、苦しかった。大我を思い出すと。
両親は、大我とも遊んでいたから。

兄弟のようだったから。

それから、仲の良い友達を作ることもないまま、新しい小学校を卒業した。
中学生になって一年経っても、傷は癒えなかった。

でも、二年生の時、ふっかに出会ったんだ。

もちろん同じ中学校じゃないから、面識もなかった。
でもふっかは、死んだ顔した俺に、話しかけてきてくれたんだ。
辰哉
ねぇ、君!
浮かない顔してどうしたの?
大介
…誰?
辰哉
あぁ、ごめんごめん❗️俺は深澤辰哉。
六花むつのはな中学校の二年生❗️
辰哉
君は?
大介
佐久間大介。
三白さんぱく中学校…二年。
辰哉
同い年じゃん!
初めて出会った時、騒がしい人だなって思った。
俺とは、縁遠い人だと思った。

全然興味を示さない俺に、ふっかはお構いなしに話しかけてきた。
辰哉
俺、妹がいてさぁ?5歳くらい下の。
名前…何にしたっけ?
大介
…妹の名前、覚えてないの?
辰哉
あぁ…会ったことないんだよねー
エコー写真だけでさ?
辰哉
今は弟たちがうるさいから精一杯❗️わら
おかしな人だとも思った。妹の名前を忘れるなんてって。
最低な兄だと思ったことは、許して欲しい。

次の瞬間、何も話さない俺に、ふっかはこう言った。
辰哉
俺たちの家、行きたいって、思ったりしない?
大介
…はっ?
意味がわからなかった。

さっき知り合ったばっかりなのにも関わらず、一緒の家で住まないかだって?
言われたことをすぐに飲み込めなくて、俺はしばらく固まってしまった。
大介
な、なんで…?
おそるおそる問いかける俺に、ふっかはニカッと笑った。
辰哉
俺たちの家はね?家族がいない人がいっぱいいるんだ。
まぁ、いっぱいって言っても、まだ5人なんだけど。
辰哉
俺も、その一人
辰哉
佐久間さ、一人でしょ?
図星だったことにびっくりした。
ふっかは、俺と同じなんだって、理解した。
辰哉
まぁ、一緒に住むには許可がいるけど。
…どう?
コイツについていけば、一人じゃなくなるだろうか。
寂しい思いをしなくても良くなるだろうか。

毎日、楽しく生きていけるだろうか。
やっぱり生きたいって、思えるだろうか。

でも、たとえ今ここで断ったとしても、俺はきっとここに住むことになっていただろう。

なんでかって?
もう、一人でいたくないから。

しばらくして、俺はみんなの元へと行くことになった。
俺は、ふっかの次の入居者だった。

久しぶりに、みんなでご飯を食べた。
友達と食べるご飯って、こんなに美味しかったんだって知った。

夜更かしして、みんなでアニメを見た。
全然興味なんてなかったのに、まんまとハマった。

毎日がすっごく楽しくて、明るくなれた。

髪を染めたのは、昔の俺を思い出さないように。
これからは、明るい俺で生きていくんだって標。

安心して、風花高校は髪染めても大丈夫だからね?笑
大介
大我ー!
大我
待って待ってー!
あの時、庭で走り回ってた日々も大好きだったけど、
康二
さっくんー!
置いていきますよー!
大介
おいっ、待てー!





涼太
ピーマン繋がってる…!w
翔太
料理下手すぎ!w
大介
いや、お前もだろっ!w





じゃあ腹筋ね?
辰哉
あぁー!
待って!無理、しんどい!
大介
はえーよ!w





真都
佐久間くん、これ教えてー!
大介
任せろっ!…んんっ?
…コレハドウスレバイインダ?
亮平
いや、分かんないんかいっ!
こんな風にわちゃわちゃしてるの日々も、おんなじくらい大好きなんだよ。

もう、思い出さないことにした。
今のままで、生きていく。

でも、大事な兄弟との日々は忘れないからね。
はあぁー!疲れたー!作者でございます!
はい、これにて第3章・佐久間大介編、完結でございます!

はいっ、拍手!拍手をどうぞっ!
想像のファンの方々「ぱちぱちぱち👏」

ありがとっ、ありがとー!
みんなのおかげで今日も生きてるよーっ!👍

ってなわけで、次は第4章・〇〇編ですね!
さぁ、誰なんですかね?ヒントは『あるピンクの人と会社立ち上げちゃった人』です。(←わかりやすすぎた?)

うーん、誰だかなぁ…?
予想してみてくださいね!

予想はコメント欄で随時お待ちしております👍
じゃ、バイバーイ👋

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