また今年も梅雨の季節がやってきた。
大抵の人は雨が嫌いだと言うが、俺は雨が好きだった。
傘をさすたびに聞こえるポツポツという心地よい音、ある日に傘をささずに雨に打たれると感じる自分への特別感。
そして、雨の日の独特なあの匂いが小さい頃から、俺は好きだった。
どうしてあんなに惹かれるのだろう—。
いつも雨の日は真っ先に家に帰って雨音を聞きながらサッカーゲームをするのだが、今日は何故かそんな気分になれなかった。
傘をさしながら、人気のない田んぼ道を歩く。
そんな時、ふと視線に入ってきた赤い鳥居。
そこに吸い込まれるように、何かに導かれるように境内に入った。
すると、そこには先客がいた。
時が止まった—。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。