2j3j 夢

　　　　　🎲　×　💸　　　　　　學園パロ

💸 side

　もうそろそろ夏も終わり、秋の気候に近づいてきた
　長閑な日。

　mob　「　絵久さん、好きです！　
　　　　　　僕と付き合ってください！　」

　💸　『　えー…、　』

　特に仲良くもない、私としては話した覚えのない彼に
　手紙で校舎裏に呼び出された。

　💸　（　ホントに校舎裏で告白する人っているんだ…、）

　態々綺麗な便箋をハート型のシールで留めた物を
　用意してまで、私に想いを伝えて呉れたのだ。

　だが、私は彼の事を全くと言っていい程知らない。
　名前さえ知らないのだ。

　其の熱い想いに報いるべく、
　丁重にお断りしようと思った。

　💸　『　…、私は君の事よく知らない…し　
　　　　　良ければお友達から…なんてどうかな？　』

　私の言葉に、彼は心底驚いたような顔をして
　ずんずんと私に迫ってきた。

　mob　「　…っ！　何で　」

　💸　『　？！　』

　私なりに優しく断ったつもりだし、
　相手を傷つけないよう精一杯の暖かい声で言ったはずだ。

　mob　「　酷い…、酷い！！！　」

　mob　「　僕はこんなにも貴方を想っているのに！　」

　💸　『　い゛っ…　』

　肩を押され校舎の壁に強く突きつけられた挙句、
　片手を強く握られる。

　咄嗟に手を振り解き、彼から少し距離をとる。

　mob　「　…、　」

　mob　「　わかりました　」

　私の反応を見て諦めがついたのだろうか。

　彼はにこりと微笑んだ。

　mob　「　絵久さん…、葛葉君と仲良いですよね　」

　急に葛葉の名前を出され、体がビクッと反応する。

　mob　「　あんな糞野郎と絵久さんが仲良くなるなんて
　　　　　　可笑しいと思うんです」

　💸　『　“あんな糞野郎”？　』

　mob　「　絵久さんは、僕が一番お似合いなんです
　　　　　　クラスの皆んなもそう言っています　」

　💸　『　私が誰と仲良くしようと関係ない
　　　　　　私は私の意思で___　』

　mob　「　そうなんですね　
　　　　　　葛葉君に脅されているのか　」

　予想外の返事に、思わず『は？』と声が漏れる。

　mob　「　大丈夫ですよ
　　　　　　僕が彼氏になるからには、葛葉君と
　　　　　　関わる必要なんて失くしてあげるから　」

　mob　「　退学にだってさせれるし　
　　　　　　ね？僕と付き合おうよ　」

　💸　『　余計なお世話！　』

　💸　『　確かに彼奴は、ちょっと糞かも知れないけど
　　　　　　誰よりも私と真剣に向き合ってくれる
　　　　　　大事な人だから　』

　葛葉を悪く言われて、ついカっとしてしまった。

　mob　「　五月蝿い、五月蝿い五月蝿い！！　」

　彼の形相が一気に変わり、好青年のような印象から、
　まるで鬼のような恐ろしさを感ぜられる。

　💸　『　っ…、　』

　彼は、足元にあった鉄パイプを手に取り
　私の方へと腕を振り下ろす。

　？　「　っ…、と　」

　？　「　おいセレブ、大丈夫か？　」

　落ち着く体温と声。

　💸　『　葛葉っ！　』

　mob　「　っ…！！　」

　🎲　「　お前、田中だっけ？　
　　　　　　こんな奴好きになるとかセンスねーな　」

　💸　『　、はぁ？　』

　折角良い登場をしたというのに、この台詞で台無しだ。

　mob　「　葛葉君っ…、！
　　　　　　君に絵久さんの何がわかっ___　」

　🎲　「　んー、　」

　🎲　「　弁当忘れたらわけてくれたり？　」

　💸　『　何それ
　　　　　　もっと良いのあるでしょ　』

　🎲　「　金持ちなとこ？　」

　💸　『　うわさいてー！　』

　mob　「　ほっほら、こんな奴より____　」

　🎲　『　…まぁ、
　　　　　　普通に優しい…？　』

　💸　『　っ…！/　』

　mob　「　！！　…ﾁｯ　」

　葛葉の遠回りな発言に文句を垂らしつつ、
　軽い言い合いをしていると、気づけば彼は消えていた。

　葛葉と二人きりになり、少し緊張が解けたのか
　葛葉の胸へ頭をグリグリと押し付けた。

　🎲　「　…なんだよ　」

　少し不満気な声だが、私の背に優しくそっと手を置いてくれた。

　💸　『　怖かった　』

　🎲　「　…そりゃ誰でも怖いだろ　」

　💸　『　私のせいで葛葉に迷惑かけるのが
　　　　　　…怖かった　』

　🎲　「　！　」

　あっそ、と頭に顎を乗せられる。
　心なしか、葛葉の心音が上がっている気がした。