偶然起きた火事で兄さんと生き別れてから、
私の頭の中に知らない映像が浮かぶようになった。
それは決して視ていて気持ちの良いものではなく、
人が怪我したり死んだりする事件や事故の映像だった。
何故そんなものが視えるのか分からず、
私はただ怯える事しか出来なかった。
ある日、何時もの様に何処に向かうでもなく
歩いていると、
捨てられた新聞を見つけた。
江戸川乱歩…その名前には覚えがあった。
何故ならその人は私の兄だから。
もしかして兄さんなら、
私が何故事件や事故の映像が視えるか分かるかも。
そうすれば私はもう怯える必要は無くなる。
自販機の下から拾い集めた小銭でなんとか行けそうだ。
目指すは、ヨコハマ。
* 江戸川 結月
* 15歳
* 兄さんと本が好き
* 正体が分からないものが嫌い(というか怖い)












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!