美しい桜並木の中でふと1つの言葉がこぼれた
この国には四季があり今を「春」というらしい
私は暖かくて優しい春の空を見上げた
この美しい世界を汚してはいけない
もう壊さない
そう誓った
今度こそ
_幸せになるために
俺はそう言いながら見慣れた背中に飛びついた
そのまま流れるように横に並び歩き出す
10年前から変わらないいつもの朝だ
今日から俺は高校2年生!
春休み中は中々友達に会えないし新学期が来るのをずっと待っていた
学校が嫌いだと言う人もいるけと俺は大好きだ
こいつは秋夜、俺の小学校からの幼馴染だ
ずっっっっと一緒
高校も一緒だったのはたまたまな!
喜ぶ俺の横で苦笑いをする秋夜
クラス分けを見て俺たちは
自分たちのクラスである2年1組に向かった
そんないつも通りの会話をしながら廊下を歩く
「2年1組」と書かれた教室の前で俺たちは立ち止まった
ガラッ
秋夜が耳を塞いでいたのは…
うん、気のせいだ!
俺が教室のドアを開けて大声で叫ぶと
賑やかかったクラスが一瞬静まり返って
笑いがおこった
そんなクラスメイトを見て秋夜がニコッと笑った
気づいたら先生が俺たちの後ろに立っていた
そう言って先生はニカッと笑った
俺たちが大人しく席に座ったのを見て先生は廊下の方に向かってそう声をかけた
ガラッ
先生の合図でそいつが入ってきた時
時間が止まった
𝙉𝙚𝙭𝙩 .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。