おれの名前は赤村ハヤト
幼馴染の黒宮ウサギと一緒に、ある森に向かっている
なぜかって?
お茶会の招待状をもらったからだ
そんな会話をしていると
それはこっちのセリフだ
こんなところで人狼サバイバルの参加者が集まるなんて…
でも、変だな…
伯爵は最近、招待状を書くようになってきている
招待状が送られてきたのは一緒だが、内容が違うよな…?
俺たちは一斉に顔を前にあげた
そこにあったのは…
大きな“家”だった
俺たちの脳内は「???」で埋め尽くされた
真っ白な壁
ソーラーパネルの付いた黒い屋根
家と大きな庭(多分)をぐるりと覆っている背の高い石垣
これは結構…いや、かなり“普通”だ
俺たちがしげしげと眺めていると、黒い丸窓のついたドアが勢いよく開いた
あまりにも勢いが凄すぎて&唐突すぎて、俺たちは全員飛び上がってしまった
すると、中からクッキーの乗ったお皿を持った、俺たちと同い年ぐらいの女の子が出てきた
そう、すみれさんは言った
俺たちは、すみれさんにお茶を入れてもらい、席に座った
丸い机の真ん中では、まだクッキーがほかほかと湯気を立てている
おっとこれは危険な合図だ?
遠くからいいよー!とすみれの声が聞こえた
俺たちは超絶美味ケーキに舌鼓を打ったあと、いろいろなことを話し、様々なことで笑い、好きなように飲み食いしていたら、もう暗くなり始めていた
森の外への小道を歩いて帰っていく俺たちを
すみれはいつまでも手を振って見送っていた
ニコニコと笑っているその顔を見たら
また来たいな、と
思うことができた
これは
みずみずしく、優しい春の日がさす四月のお話













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!