それを見つけたのは朝晩の日課、いれりすのポストを眺めている時だった
都合の良い事に、リプ欄で場所を話してくれていた
リストに3本線を引き、まだ夜だけどチェックアウトさせて貰う
新幹線の中で寝れば良いだろう
今ならまだ終電に間に合うはず
「見つかるかも知れない」淡い期待を胸にチケットを買う
少しでも細かい情報を知りたくて、その人のポストを遡って見た
新幹線の揺れも心地よくて、次第に眠くなって来る
夢を見ないといいな
良い夢でも悪い夢でも、推しが関わると今は悪夢だから
「見かけたかも」と言うポストをしていた場所の近くへ向かう
4時だとまだ何も開いていないので、一旦24時間営業のカラオケに入る事にした
飲み物も飲めるし、休めるし、歌も歌える
最近、歌ってみたは少し聴けるようになった
でもまだ記念日の歌ってみたやオリジナル曲は涙無しに聴けない
やっぱり、色々思い出してしまうから
色々な話はもちろん、ステージで輝いてる推しの姿が離れないんだ
歌声が、笑顔が、全てが
開店時間と同時に「いむくんが居たかも」と言うスーパーに入った
朝食を手にしてレジに行き、店員さんにいむくんの特徴を伝える
"午後"と言う時間帯と共に
心の中でいむくんに謝りながらそう言った
店員さんは、咄嗟の言い訳で納得してくれたようだ
怪訝な眼差しが落ち着いた
でも、本当に来ていたのかはわからなかったな
コインロッカーを探し、スーツケースを預けた
すれ違う人の顔に注目しながら歩く
少し動かすだけでも痛い足を、また動かす
休職してから休ませる余裕が無いんだ
ただがむしゃらに、私は歩いていた
スマホで取ったビジネスホテルに入り、ベッドに倒れる
色々な疲れで溜め息が漏れた
まぁでも、こんなにすぐ見つかる訳ないよね
何処を探すにしろ、自分にタイムリミットは設定する事にしている
そうじゃないと「ここに居るかも」と言う浅はかな希望で止まってしまうから
1年は短いんだ
いれいすを推して、そんな事はよくわかっていた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。