…
…夜…
真っ暗な夜空に…ポツポツ…雪が降っているのを…
無機質な…病室で…独り…眺めていた…
温かい白い息が…この病室の空気に溶けて消えた…
自分も…いつかこうなるんだろう…そう…考えてしまう…
俺は…独りが嫌い…
自分が…消えたような感覚になるから…
少し大きなため息をついた俺は…毛布に包まった…
寒いのは嫌い…
心が寂しくなるから…
カチ…カチ…と、時計の音が響く…
時計は嫌い…
時間が経つのを実感してしまうから…
誕生日は嫌い…だって…
死に近づいてる…そんな感覚がするから…
死ぬのは嫌い…
でも、生きたいとは思えない…
意味が分かんない…
こんな…こんな地獄のような生活を…俺はいつまで続けないといけないの…?
死にたいんじゃない…でも…生きたいわけでもない…
消えたい…
もう…存在しなかったことにしたい……
でも…それは寂しいから嫌…
なら…なんなの?何がしたいの?
俺は一体…何がしたいの?
分かんない…
考えれば考えるほど…その答えとは…ほど遠くなっている気がする…
もう嫌だ…
泣きそうな声で、そうつぶやいた時…
病室に…女性の声が響いた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。