──……な、なんだ?なんか人の声が……
目が覚めて、間近にいた人……人???
待て待て待て、『それなら』じゃないよ。
どーゆー事なんだ、これは。
とりあえず深呼吸をしよう。
まだ夢を見ている途中なんだろうか。
超現実っぽくできてる夢なんだろうか。
──なんて都合よく解釈したけど……
そりゃもうにっこり笑顔で言われちゃったよ……
もう確定演出じゃん……
夢じゃないと分かってから感じた視線に、『早くしろよ』という念がこもっていたので、とりあえず闇の鏡の前に立った。
結末は分かってるけど。
ですよねぇ!
そりゃそうだ、ここに来る前までこのゲームやってたただのオタクだし。
確かここで学園長が、「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない!」ってセリフを言うんだよね。
あぁ、懐かしい……
学園長の方を見ると、何やら頭を抱えて悩んでいるご様子。
あれ、セリフ言わないの?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!