旅館の一角で敢助、高明。由衣の3人は、一台のスマホを食い入るように見つめていた。画面に映っていたのは少し画質の荒い、けれど温かな光に満ちた数枚の写真。
写真の中にいる女性、清宮葵。
近所に住んでいた、現役警察官。高明達はいつも彼女の家に寄って、遊んでいた。
胸の奥がキュッと締め付けられるような、愛おしさと切なさが入り混じった感覚。霊那ちゃんは手に持っていたクッキーの箱を持って、3人に声をかけた。
長野県警3人「(ビクッとしてスマホを隠す)」
霊那ちゃんが差し出したのは、クッキーが入った大きな箱。
箱を開けると、そこには、降谷と焼いた「リンゴジャムクッキー」が宝石箱のように並んでいた。
3人は顔を見合わせ、慎重にクッキーを手に取る。
彼らの心の中では、思い出の中の葵さんと目の前にいる霊那ちゃんが、温かな光の中で重なり合っていた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。