第27話

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2021/06/29 13:20
しるこside


目の前の光景が酷いことになっているのは分かるがどうすることも出来ない。
気持ち悪さは治まらなが、また吐くわけもいかない、でも上手く息はできない。


額から流れてくる汗が気持ち悪い。

ボーッとする意識は今にも眠れそうで、でも寝たらダメなような気がして


熱いし、寒いし、怖い。

働かない頭を必死に働かせスマホの存在を思い出した。

霞む視界の中震えた手でポケットからスマホを取りだし、ミンベンさんに電話をかけた。


かけたのはいいがこんな息でどうやって説明しようか、まず話せるのか?

3コール目でミンベンさんが出た。
しるこ
はぁ、はぁッ
ミントス
しるこさん?
しるこ
ミンベン……さん…たす、け


それだけ伝えるとスマホを持っていた手の力が抜け、体が地面に傾いた。
ミントス
しるこさん?はっ?しるこさん、しるこさんッ!!


あぁ、なんか呼ばれてる。
だんだんとミンベンさんの声が遠のき意識を飛ばした。






ミントスside


何となく荷物を置いて戻ってくるのに時間がかかってるな、とは思っていた
しるこさんから電話がかかってきたけどあれはどういうこと?


いくら名前を呼んでも返事はない。
携帯の向こうで聞こえたスマホが落ちたであろう音とゴトと言う何かが倒れる音。
しるこさんは今どこに……とにかく探しに行かないと。物置か、押し入れのどっちかだと思うし


すぐに部屋を飛び出した。
最初は物置を調べた。

お願いしていた荷物がここにあるからきっと運び終わったあとの事なのだろう。
しるこさんが倒れるほど重いものを持たせた自分を恨みたい。

その場を離れ急いで押し入れの部屋に向かった。


押し入れの前に着き、急いでドアに手をかけ開ける
ミントス
あれ?


開かない。此処ってこんなに開きにくかったっけ?もう一度力を入れ開ける。
ミントス
っ開いた!!
ミントス
ッ!?


そこにはぐったりとして倒れてるしるこさんの姿と吐いたあとがあった
ミントス
しるこさん!!
ミントス
しるこさんッ


肩を叩いてみるが反応は無い

どうしよ、どうしよ、どうしよ
救急車呼んだ方がいいのかな
しるこ
んッ……ミンベン、さん
ミントス
しるこさん!!
ミントス
良かった……ほんとに、よかった
しるこ
怖かったッ


そう言うしるこさんを見ると小さく震えていた。
ミントス
しるこさん立てます?
しるこ
こわい…いかないでッ
ミントス
どこも行きませんよ


少ししるこさんの呼吸が早くなってる気がする

どこにも置いていかないのに、1人で閉じ込められた部屋で心細かったんだ。
しるこ
はぁ、はぁッ苦しい
ミントス
俺はここに居ますよ。どこにも行かないっすよ
しるこ
ひとりは、やだ
ミントス
ここじゃまた苦しくなっちゃうから移動しましょ
しるこ
ヒュー、ヒューッケホケホ


過呼吸になってる。どうしたら……

過呼吸は酸素の吸いすぎなんだっけ?だったら
ミントス
ゆっくり呼吸できます?俺に合わせてください
ミントス
吸ってー、吐いてー……吸ってー、吐いてー……
しるこ
ヒュー…ヒューッゲホゲホヒュー、ハァ
ミントス
上手にできてます。偉い偉い
しるこ
はぁ……ッうっゲホ


落ち着いたかな?過呼吸起こしたら吐く量を多くしないといけないんだよね
そしたらとにかくしるこさんを部屋に連れていかないと
ミントス
部屋に戻りましょ。
しるこ
立てない……
ミントス
抱きかかえるのでちょっとの間我慢してください。
しるこ
ふぇ…
しるこ
服汚れちゃう、汚いから
ミントス
汚くない。汚れてもいい


しるこさんを抱きかかえて部屋に向かった。

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