家に帰っても、誰もいない。
モモりんは仕事に行っているから。
目の色も、今は元に戻っているけど、またいつ赤くなるか分からない。
いつ痛みが襲ってくるか、分からない。
そんな不安と恐怖に怯えながら、これから生活してかないと行けないんだ。
でも、この病気のことを誰かに相談するわけにもいかない。
だから、ウチはバレないように、自分の最期の時までこの恐怖と戦いながら生活してかないと。
目の色を変えるために、カラコンを入れればいいんだ、
痛みは無くならないけど、それは我慢すればいいし。
いつになっても、目に何かを入れるのは怖い。
普段は裸眼で過ごしてるから、久しぶりに使うカラコン。
意外とすんなり入った、けど、普段付けないからか、違和感が凄い。
鏡をもう一度見て、おかしな所がないか確認する。
大丈夫、変なところは無い。
赤くなっても、カラコンで見えない。
大丈夫、大丈夫。
ズキッ
突然やってくる目の痛み。
ズキズキと痛み続けている目。
でも、
目は赤くなっていなかった。
良かった、これで、
これで、モモりんにもバレないで済む。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。