第112話

🎄
221
2025/12/24 12:00 更新
12月24日。
街はやけに浮かれていて、イルミネーションの光がやさしく、でも少しだけ残酷に感じた。

🐰「今日さ、空いてる?」

勇気を出して送ったメッセージは、既読がつくまでに少し時間がかかった。
それだけで、胸の奥がざわつく。

🐯『ごめん。今日は用事ある』

短い返事。
理由は書いてない。
聞かなくてもいいって、わかってるふりをした。

……でも、クリスマスイブだ。
どうしても期待してしまう自分が、情けなくて。

テヒョンは昔から、こういう人だった。
優しいのに、決定的なところで線を引く。
近いのに、手を伸ばすと少し遠い。

一緒にコンビニで買った安いケーキ。
何でもない夜に突然始まる長電話。
寒いからって理由で、肩を寄せた帰り道。

全部、「恋人じゃない」って言い訳で成り立っている関係。

俺だけが、そこに意味を探してる。

夜、ひとりで歩く帰り道。
ふと、駅前のイルミネーションの向こうに見えた影。

……テヒョン。

隣には、知らない誰かがいた。
楽しそうに笑っていて、距離が近くて。

胸が、ぎゅっと縮む。

見なかったことにしようとしたのに、
目が離れなかった。

結局、俺は何も言えずに帰った。
部屋に入って、コートも脱がずにベッドに座る。

スマホが震えた。

🐯『メリークリスマス』

たったそれだけ。

画面を見つめながら、笑えない自分がいた。

——俺は、君にとって何なんだろう。

そう思った瞬間、
また通知。

🐯『今から、少しだけ会えない?』

心臓が、うるさく跳ねた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━メリークリスマスイブ!!!皆さんはどうお過ごしですか?私は沢山食べすぎて、体重計に乗りたくないです!はい、まぁ、そんなことは置いといて!!いいクリスマスいぶをお過ごし下さい!

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